開幕まであと7カ月となった大阪・関西万博。

13日、大阪府と市が目玉に掲げていた「ペットの同伴」について見送る方針が示された。

【動画】「ペット同伴での入場」実施を見送りに 大阪府市が提案の2つの案は協会と折り合いつかず 大阪・関西万博

■「大屋根リング」が1周つながり13日に記念式典

記念式典で「万博を象徴するリング」と話したプロデューサー藤本氏
記念式典で「万博を象徴するリング」と話したプロデューサー藤本氏
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万博のシンボル1周、およそ2キロの「大屋根リング」。

8月に1周がつながり、13日、記念式典が行われた。

万博会場デザインプロデューサー 藤本壮介さん:来場者の方々が、ワクワクしながら歩いていただくという願いも込めています。色んな角度から、万博を象徴するリングになっていると思います。

■「ペット同伴での入場」実施を見送りに

“万博史上初”として目指してきた「ペット同伴」は実施見送り
“万博史上初”として目指してきた「ペット同伴」は実施見送り

徐々に万博の開幕を感じられるようになってきたようだが、13日、新たに決定したのが「ペットの同伴入場は不可」ということ。

日本国際博覧会協会 石毛博行事務総長:『ペット同伴来場』の実施について、再度検討した結果、実施を見送ることが承認されました。

これまで大阪府の吉村知事や大阪市の横山市長が、“万博史上初”として目指してきた「ペットの同伴」。

大阪府 吉村洋文知事(ことし6月):ペットは家族同然だという方が多くいる中で、ペットも入場できる万博を“史上初”ですけどやるべき。

「実行可能性、テーマ性が具現化できるかが疑問」
「実行可能性、テーマ性が具現化できるかが疑問」

博覧会協会は、ケージに収まる小さい犬に限って、10日間のみ受け入れるなどの案を検討してきたが…。

日本国際博覧会協会 十倉雅和会長:(ペット同伴入場は)実行可能性、テーマ性が具現化できるかが非常に疑問であると。賛成・反対ありましたけど、賛成多数で見送ることに決しました。

受け入れ条件を限定したとしても、経費がおよそ8300万円と高額で、経済界や一部の理事などから反対意見が相次でいたため、13日の理事会で「ペット同伴」の見送りが正式に決まった。

■紙チケット運用についても当初の案とは異なる条件に

当初は「原則、どの日でも日時の予約は不要」と主張していた
当初は「原則、どの日でも日時の予約は不要」と主張していた

また「電子チケット」とは別に、日時の予約なしで利用できる「紙チケット」の運用については… 。

日本国際博覧会協会 十倉雅和会長:ピークのでこぼこがありますので、協会側はある一定レベルの人数以上は、安心安全の観点、混乱避ける観点から線引きをしました。

大阪府・市は、当初、「原則、どの日でも日時の予約は不要」と主張していたが、採用されたのは、「ゴールデンウィークなどの混雑する期間以外に限り、予約は不要」とする協会の案だった。

具体的な期間については、十倉会長が意見を聞いてまとめる。

大阪府市が提案してきた2つの案は、協会と折り合いがつかなかったということだが、吉村知事はこう述べた。

大阪府 吉村洋文知事:(ペット同伴は)実現したかったですが、これが否決になったことは残念に思います (紙チケットの予約は)半分以上が除外日になっているのは、やっぱり違うのではないか。買いやすさ、使いやすさ、分かりやすさを考えても、少し違うんではないかという意見で、議論がされた。最終的には会長一任ということになりました。

今後、詳細については、早い時期に取りまとめる予定だ。

■目玉となるはずだった案が否決…「大阪らしい逆転の発想を」

「十分な認識の共有ができていなかったのでは」と藤井教授
「十分な認識の共有ができていなかったのでは」と藤井教授

ペット同伴や「予約不要の紙チケット」という大阪府・市の案が、思うように実行できない状況のようだ。

京都大学大学院 藤井聡教授:国家レベルの世界的なビッグイベントで、なかなか調整を図るのは難しいとは思いますが、やはりこういったものは政治主導と現場の連携で前に進んでいくものですから、両者の間で思惑に乖離(かいり)があったというのは、始まる前に十分な認識の共有ができていなかったからなのかなとも思います。

さらに、神崎デスクは次のように私見を述べた。

関西テレビ 神崎博デスク:やっぱり新しいことを始めるということで、『史上初』とか『世界初』というのを目玉にしようとしていたんですけど、例えば、空飛ぶクルマもまだ分かりませんけど、今だいぶ怪しい状況になっていますし、ペット同伴も難しいと。ペーパーレスのチケットにするというのも、紙のチケットにしようかということで。

 なかなか『史上初』というのを得にくい状況になっていますが、これを逆手に取って、ある種、“目玉がないのが目玉”というような感じで、しょぼさを売りにするとか。大阪らしい逆転の発想で、例えば『これは実は世界で180番目です』とか、『日本はなんと25番目』とかね。そういうのも売りにしたら少しは笑いが取れるんじゃないかなと。

果たして、どのような形で開催を迎えるのだろうか。

(関西テレビ「newsランナー」2024年9月13日放送)

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