全国的にコメ不足が叫ばれる中、待望のコシヒカリの収穫が本格化している。新潟県十日町市の田んぼでは収穫作業が行われていて、コメ農家も「コシヒカリの新米を楽しみにしていてほしい」とその出来に自信をのぞかせている。

出来は上々!コメ不足対応へコシヒカリの収穫前倒し

新潟県十日町市で収穫されていた魚沼産コシヒカリ。

魚沼産コシヒカリの収穫
魚沼産コシヒカリの収穫
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2023年は猛暑の影響で一等米比率は4%と、平年の75%を大きく下回っていた県産コシヒカリ。

2024年の春先も水不足などが心配されていたが、のうランドの宮澤健太郎代表は「現在の感じだと、一等米比率はだいぶ上がると思っている」とその出来に自信をのぞかせていた。

のうランド 宮澤健太郎 代表
のうランド 宮澤健太郎 代表

一方で全国的にコメ不足が叫ばれ、県内のスーパーでも品薄状態が解消されていない。

こちらの田んぼでは、例年9月10日ごろにコシヒカリを収穫しているが、生育が早まったことやコメ不足に対応するため、収穫時期を前倒しし、9日6日から作業を行っている。

宮澤代表は「関東のお客から『コメがないので送ってください』との声もあるが、地元のほうでも『コメがなくて』という声があったので、お待たせしましたということで」と話す。

農家取り巻く環境厳しく…価格高騰も「新米喜んでもらえたら」

コメ不足の解消に向けて農家が汗を流す中、JA全農にいがた運営委員会の伊藤能徳会長は6日、「あまりにも高ければ消費者から敬遠されるので心配するところはあるが、ただ農業をやっている人も大変だということで、皆さんから一つご理解をいただきたい」と呼びかける中、JA全農にいがたは生産コストの増加を受け、農家への仮渡し金の増額を決定。

これに伴い、コメの販売価格も上がり、消費者から困惑する声も届いているというが、宮澤代表は「だんだん高齢化が進んできてリタイアされる方も多くなって、前のベースのままだと成り立っていかない。将来、農業を担いたいという方々がこれからの農業に魅力を持ってやっていけるような形をつくっていかないといけない」と理解を求めた。

コメ農家を取り巻く環境も厳しさを増す中、手塩にかけて育てられた待望のコシヒカリ。収穫したコメは9月15日以降、店頭に並ぶ予定で、宮澤代表は新米を堪能してほしいと話す。

「ここ最近の農業情勢というか、だいぶ厳しい中、暑さの中での作業でみんな身を削って一生懸命頑張って作ったコメなので、魚沼産に限らず、新潟米を消費者の方に喜んで食べてもらえたら」

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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