迫力のある男踊りとしなやかな女踊りが魅力の「十人十彩」は、よさこい大賞を5回受賞し、2023年も金賞に輝いた実力派チームだ。20年近くチームで踊ってきたインストラクターたちの懸命な指導が光った。

艶やかな女踊りとそれを支える男踊り

激しく切れのある“動”の踊りと、しなやかで美しい“静”の踊り。その独自の世界観で観客を魅了してきたのが、1998年に結成した「十人十彩」。

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本番まで10日に迫った7月31日、練習会場は踊り子たちの熱気に包まれていた。

2024年のテーマは「ダッシュ」。よさこい祭りを「駆け抜ける」という熱い思いが込められている。

「力強くいきなさい!間違えたち、えいから!」と踊り子にげきを飛ばすのは、長年先頭でチームを引っ張り振り付けを担当してきた山本沙希さんだ。

振付師・山本沙希さん:
やっぱり女踊りの艶(つや)やかさ、あでやかさをすごく大事にしたくて。大人の踊りをしてほしいというところがある。女踊りが映えるように、男踊りは縁の下の力持ちで、「一緒にいくところはがんと迫力を出して」と、心がけてつくっている。

女踊りに欠かせないのが「編み笠(がさ)」で、角度や動きを合わせて「凛(りん)とした強さと優しさ」を表現する。

2003年から参加する踊り子は、十人十彩の魅力を「一体感、魅力的な衣装、踊りも。毎年心躍るような、心ふるえるような感動を呼ぶ踊りになってるんじゃないかなと思う」と語る。

チーム歴約20年の熱い指導者たち

チームの一体感を作り上げる力となっているのが、十人十彩にほれ込み20年近く踊ってきたインストラクターたちだ。

15年以上前からインストラクターを務める谷田文洋さんは、踊りの指導だけでなく、まとい担当としてチームを盛り上げてきた。「みんな2カ月、とにかく真面目に頑張ってきた」と練習を振り返る。

チームインストラクター・谷田文洋さん:
ここまで来たんでみんなそれぞれが楽しんでほしい。最後、賞をもらえるかもらえないかは別として、「やりきったぞ、楽しかったぞ」と終われることが一番かなと思ってます。

2024年は十人十彩で踊るのは初めてという踊り子が多く、練習当初は速く切れのある動きに苦戦していたという。

「まだ遅い、1でここまで一気に上げないと」と細かく指導しているのは十彩歴・17年の浦田愛さん。踊りや楽曲はもちろんだが、家族のようなチームワークの良さが十人十彩の一番の魅力だと感じている浦田さんは、懸命に練習する踊り子たちに寄り添ってきた。

チームインストラクター・浦田愛さん:
勝手に親心というか学校の先生になった気分で、踊り子さんの成長が私の幸せというか、苦戦してた子がどんどん上手になっていく姿を見ると、本当にうれしくて涙が出そうです。

仲間と「十彩にしか出せない彩を」

5月下旬から週に5日間、仲間と励まし合いながら練習を重ねてきた踊り子たち。

「十彩らしくかっこよく踊りたい」「十彩にしか出せない彩(いろ)を出して、見てくれてる人たちにハッと思わせるような踊りをしたい」と本番にかける思いを語った。

振付師・山本沙希さん:
せっかく150人という人数が集まってるんで、それがそろった時の迫力と激しい踊りの中でそろえていくっていうことができるのが十彩ならではじゃないかなと。

「皆さんにすごかったねと言ってもらえるように、頑張っていきたいと思ってます」と山本さんも意気込みを語る。

十人十彩のコンセプトである「鍛錬百日、成果一瞬」を胸に刻んだ踊り子たち。よさこい祭りで美しく咲き誇るため練習を重ね、2024年も金賞を受賞した。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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