毎年夏に高知市で開催される講演イベント「高知市夏季大学」。アンパンマンの作者・やなせたかしさんの愛弟子であるノンフィクション作家の梯久美子さんが高知市夏季大学に登壇した。
愛弟子が語るやなせたかしさん
夏季大学の講師として登壇したノンフィクション作家の梯久美子さんは、小学生の頃、やなせたかしさんの作品「やさしいライオン」に出合い感銘を受けたという。

大学時代にはやなせさんが編集長を務める雑誌「詩とメルヘン」に詩を投稿し、20代から7年ほど編集者としてやなせさんの下で働いた。

やなせさんについて、梯さんは「まず仕事が早い。さっき黙って自分の仕事をなさるって申し上げましたが、締め切りよりも一週間くらい早くあがってくるんですね。そうすると私たちもその分早く仕事をしなければいけないので大変だったんですけれども、絶対待たせない、人を」と語った。

雑誌を離れた後も交流を続けてきた梯さんは2015年にやなせさんの伝記を出版した。梯さんによると、「とにかく優しくて穏やかで怒った顔を一度も見たことがない。まだすごく若くて駆け出しで先生の下で編集者をやったわけですけど、しかられたことは一度もないです。あんなに有名になっても偉そうなところが一切無かった。そういうのが嫌いだったと思う。威張ってる感じとか。元々の性格が優しいっていうのと、美学があったのかもしれない」という。

2025年春には、やなせさんと「はちきん」の妻・暢さんをモデルにした朝ドラが始まる。
梯さんは「やなせ先生って、すっごく明るくて元気な女の人が好きなんですよ、華やかな感じの。だから、奥さまは控え目な方なのになと思ってたんですけど、若い時のエピソードを聞くと、やなせ先生の何倍も元気な感じの方だったみたいなので、暢さんの方が。(やなせ先生にとって)太陽みたいな存在じゃないですかね。こういう人と一緒にいたら明るくなれるんじゃないかなと思ったんじゃないでしょうかね」とやなせさん夫妻について語った。
(高知さんさんテレビ)