■吉野家から第四の肉のどんぶりが登場!
牛丼でお馴染みの「吉野家」が、先週、新たなどんぶりを発売した。
使われているのは、牛、豚、鶏に続く第四の肉ということだが、どんなどんぶりなのだろうか。
【動画】吉野家「オーストリッチ丼」新発売 大注目の「第四の肉」は地球にやさしく期待大 そのお味は…
秦キャスター:やってきたのは吉野家です。吉野家といえば牛丼ですよね。私も学生の頃、大変お世話になりました。しかし、きょうは一風変わったメニューがあるということで、さっそく行ってきます。
■新メニュー「オーストリッチ丼」とは

吉野家が新たに展開するどんぶりとは…
店員:お待たせしましたオーストリッチ丼です。
秦キャスター:おーっ!
オーストリッチ丼!!つまり…ダチョウの肉を使ったどんぶりだ。
秦キャスター:見た目は完全にローストビーフ丼ですね。この香りも醤油だれのすごくいい香りが香ってきます。
なかなか目にも、口にもすることがないダチョウの肉。
気になるそのお味は… 。
秦キャスター:うん!!
■鳥だけど、牛肉に近いお味?

牛丼チェーン「吉野家」が、先週から一部店舗で販売をはじめた、ダチョウの肉を使った「オーストリッチ丼」。
秦キャスター:ほんとに、くせとか臭味とかが一切ないですね。とても食べやすいです。ダチョウということで、鳥なんですが、どちらかというと牛肉に近い印象です。とてもおいしいです。
■地球にやさしい注目食材「ダチョウ」

しかし、なぜ吉野家でダチョウなのだろうか。
吉野家HD・河村泰貴社長:将来の暮らしの様々な場面の選択肢の一つに、オーストリッチ(ダチョウ)がある。
低カロリーで、豊富なビタミンや鉄分が含まれるダチョウは、牛や豚と比べて、少ないエサで成長するため、地球にやさしい新食材として、近年注目を集めている。
からあげなど、牛肉以外の食材にも力を入れ「畜種分散」を進める吉野家は、2000年代からダチョウに着目、子会社の自社牧場で、ダチョウの畜産を進めてきた。
■ダチョウは環境に優しい

吉野家の取り組みにダチョウ研究の専門家は…
京都府立大学・塚本康浩学長:牛や豚は環境にやさしくなかったりするんですね。牛はメタンガスが発生しますし、糞尿処理が大変になる。それに比べると、ダチョウは非常に少ないエサで大きくなるので、環境にやさしい。メタンガスも少ないし、世界レベルの模範となるというか、初めての試みになってくると思うので、非常に期待度、大です。
■全国どこでも飼育でき、感染症に強い

牛、豚、鶏に代わる、地球環境にやさしい食材、ダチョウ。
さらにこんな期待も…
京都府立大学特任助教・足立和英さん:大体一年くらいで大きくなるのですが、沖縄から北海道まで飼育できる。BSEという狂牛病がはやったり、家畜は伝染病が流行ったりすると一気に食べられなくなる。鳥インフルとか…。ダチョウは感染症に強い。そういう時に危機回避の扱いとしての肉としてはありかなと思います。
■一方で、課題も…

一方で、ダチョウの家畜化には、まだまだ課題も…。
京都府立大学特任助教・足立和英さん:飼育にある程度スペース、面積がいる。牛はほとんど動かず寝てたり、ニワトリは密がいをできるが、ダチョウは動くスペースが必要。
(Q:コスパは?)肉がとれる率としては悪いですね。オスは160キロ近くあるんですけど、(食用肉は)だいたい30キロ取れるかくらいですかね。
はたして、私たちの食卓にダチョウが普通に並ぶ日は来るのだろうか。
■ダチョウは高タンパクで低脂肪、低カロリーで鉄分やビタミンが豊富 さらに食用以外の可能性も

牛丼で有名な吉野家が期間限定で販売を始めたのが、ダチョウ丼。 お値段は税込み1683円で、全国およそ400店舗限定、なくなり次第終了だ。
取材した秦アナウンサーによると、ダチョウは鳥だけど、鶏肉というより牛肉に近い印象で、とてもおいしいということだ。
ダチョウは高タンパクで低脂肪、低カロリーで鉄分やビタミンが豊富だ。
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:世界的に経済成長が進むと、それだけお肉の消費量も増えてきて、ニーズが高まると。そうすると環境負荷がかかるので、実は世界的に代替肉が摸索されている中で、ダチョウは注目されています。ガスを出さない、飼育がしやすいということですが、まだまだ認知度が低いので、これから流通量をどれだけ上げていくかというのが課題かもしれません。

ダチョウの可能性は食用以外の面でもある。
ダチョウのオイルは美容にもいいとの研究結果があり、吉野家ホールディングスもスキンケア商品を販売している。
また、京都府立大学の塚本学長によると、ダチョウの抗体には薄毛防止の効果が期待されていて、現在、研究が進められているそうだ。
さらに、ダチョウの皮はカバンなどの革製品、羽根は車のほこり取りで使われることもある。
共同通信社 太田昌克編集委員:食料安全保障、食料自給率を考えると、日本はG7の中でも最低レベル。4割前後なんです。だから、こうやっていろんな選択肢を増やしていくことが、非常に大事です。この取り組みまだコスパは低いかもしれないけども、色んな活用の仕方があるから注目して行きたいです。
ダチョウの肉が当たり前になる日も来るかもしれない。
(関西テレビ「newsランナー」2024年9月2日放送)