2024年、パリ五輪で銅メダルに輝いた松山英樹。

その松山が当時まだ21歳のルーキーだった時代に、鮮烈なプレーを見せ優勝をもぎ取ったのが今から11年前、2013年のフジサンケイクラシックだ。

通算9アンダーで並んだ3選手でのプレーオフ。

松山はプレーオフ2ホール目で、ティーショットを左バンカーに。

プレーオフ、左バンカーから残り191ヤード
プレーオフ、左バンカーから残り191ヤード
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この状況から、残り191ヤードの第2打をピン横1メートルにつけるスーパーショットを放つと、バーディーパットを決め優勝。21歳の松山は第41回大会チャンピオンとなった。

第41回大会優勝・松山英樹
第41回大会優勝・松山英樹

当時の松山はモンスターコースの異名をとる富士桜カントリークラブの印象について。

松⼭:
コースも⻑いですし、池もからんでいるホールがあって、アメリカみたいなコースかなと思います。グリーンを外すと難しくなると思うので、全てが良くないと勝てないですね。

富士桜は「全てが良くないと勝てない」
富士桜は「全てが良くないと勝てない」

その松⼭が世界へ⽻ばたき、海外ツアーのトップで活躍しているのはご存じの通り。

タフなコースは選手を追い込み、高い技術を要求し、同時に成⻑させてくれる舞台となる。

では、この富士桜のどこが難しいのか。大会に出場する選⼿たちに聞いた。

急勾配・読めないグリーン

第37、38回大会を連覇している石川遼はこう語る。

⽯川:
富⼠桜のトリックというか、富⼠⼭を背に打ち下ろすパットは総じて速いですね。
なので当然「⼿前からは重いでしょ」って思いながら、⼿前から打つとめちゃくちゃ速いみたいなことが起こるので、訳がわからなくなります。

第37、38回大会連覇・石川遼
第37、38回大会連覇・石川遼

富士山の麓に位置するこの富士桜カントリークラブは、プロ選手でも錯覚するという、富士山からの傾斜を生かした難解なグリーンを擁する。⼀筋縄ではいかない、繊細なタッチが求められるのがこのコースの特徴だ。

富士山の麓に位置する名門コース
富士山の麓に位置する名門コース

そんなモンスターコースの今年について石川は。

⽯川:
また⽣まれ変わって難しくなった感じですね。

今年も新たなモンスターポイントが増えている。他の選手たちもこう語る。

「グリーンが改修された12番ホールですね」(平⽥憲聖)

「12番じゃないですかね。パーでどうやって切り抜けるかが⼤事になってくるとおもいます」(中野麟太朗アマ)

2023年の大会でも、18ホール中難易度2位と難しかった12番。そのグリーンが、今年は奥が⾼く⼿前が低い2段グリーンへと改修された。しかもその勾配の大きさは驚くほど。

2段グリーンとなった12番ホール
2段グリーンとなった12番ホール

ただでさえ難しかったホールが、さらに難しくなっている。

長い距離と深いラフ

そしてこの富士桜カントリークラブの特徴といえば、コース距離の長さだ。

パー70史上最長の7,424ヤードを誇り、ただでさえも一打一打に飛距離を必要とするこのコースだが、フェアウェイを外した選手を待ち受けるのが長く深いラフだ。

2023年・第51回大会を制した⾦⾕拓実は

金谷:
今年もラフがすごく⻑くて、難しいコースに来たなっていう感触がします。

第51回大会優勝・金谷拓実
第51回大会優勝・金谷拓実

⽚岡尚之:
ラフがすごく⻑くて、ラフに⼊れた時点で1ペナルティーみたいな印象です。

過去の⼤会を⾒ても、富士桜のラフに捕まると抜け出すことは容易ではない。

この日、大会を前にした練習ラウンドで、石川遼はグリーンサイドの芝の長さをチェックすると。

ラフをチェックする石川遼
ラフをチェックする石川遼

石川:
これ何センチあります︖25センチくらい︖

そう語りながら、アマチュアゴルファーなら見たこともないほどの、長い芝を手に、驚きを隠せなかった。

ラフの芝に苦笑する石川遼
ラフの芝に苦笑する石川遼

時代とともに変わり続けるモンスターコース。見事攻略し、今年の大会を制するのは、果たして誰か?

◆52nd フジサンケイクラシック 放送スケジュール◆
・8月31日(土)第3日 午後1:35~2:50 LIVE(全国ネット)
・9月1日(日)最終日 午後1:30~3:00 LIVE(全国ネット)
地上波フジテレビ系列生中継