島根・松江市にある“バズりはんこ屋”と話題の「永江印祥堂」が、いま話題になっているあのゆる~い動物のはんこを作り、改めて注目されている。職人の技術力がまたもや発揮されている傑作はんこを取材した。
神業はんこが“茶柱”で大バズり
はんこにびっしりと刻まれた87文字の会社紹介に、108文字の「寿限無」や160文字の円周率、新一万円札の顔・渋沢栄一まで。1円玉よりも小さな円の中にたくさんの文字や肖像が彫られ、職人技が光る。
この記事の画像(19枚)手がけたのは、印鑑を製造、販売する松江市の「永江印祥堂」だ。こうした“神業”が詰まったはんこを度々SNSのXに投稿し、その都度“バズって”きた。
そして今回作ったのが、「茶柱アザラシ印鑑」だ。Xに投稿したところ、10万いいね!がついたという。
このデザインの元は、いまネットで話題の「アザラシ幼稚園」だ。オランダにあるアザラシの保護施設が、プールで過ごす幼いアザラシたちの様子をYouTubeに公開していて、時折見せる直立に浮かぶ姿が「『茶柱』みたいでかわいい!」と、多くの反響を呼んでいる。
依頼当日に彫り上げ 印鑑は即完売
バズりの仕掛け人は、永江印祥堂公式X担当の「中の人」だ。
永江印祥堂 公式X担当の中の人:
バズりました。とても驚いていて、率直な感想としてはこんなに反響があるんだと。
茶柱アザラシ印鑑は、50本限定で販売したところ、即日完売した。これまではバズりたい一心で、神業はんこのアイデアを出してきたが、今回はアザラシを応援したいという思いから立案したという。
永江印祥堂 公式X担当の中の人:
「アザラシ幼稚園」に、一部商品が売れたことに対して寄付できたらなという思いから始めたことでもあるので、今回のバズりは皆さんにご理解いただけてすごくうれしく思っています。
これまで数々のアイデアを具現化してきた印鑑職人の村尾さんは、「茶柱アザラシ」については「知らなかった」と語る。
永江印祥堂 生産部・村尾直樹課長:
(X担当者には)「旬が命だ」って言われていたので、「すぐ彫ってください」という依頼で、その期待に応えないといけないというのもあった。
「中の人」の熱量に押され、依頼された当日に彫り上げたと職人気質を今回も発揮したようだ。
印鑑以外の商品も 売上の一部寄付
「茶柱アザラシ」印鑑は、今のところ追加販売は予定されていないが、関連グッズを豊富に展開。3種類の茶柱アザラシスタンプや、好きな文字を3文字まで入れられる茶柱アザラシのネーム印は、現在ネットで販売されている。
永江印祥堂 公式X担当の中の人:
実際、ネットショップの売り上げ自体は(当初は)ないようなものだったけど、やっぱりこのように度々バズるごとにご注目いただいたおかげで、以前に比べて約数十倍の売り上げにはなっている。
想像をはるかに超えるSNS効果。「中の人」は次のバズるネタを探し、職人はそれに応えようと気合十分、意欲を燃やしている。
永江印祥堂ではその後、茶柱アザラシグッズの売上金の一部となる約20万円をオランダのアザラシ幼稚園に寄付。
アザラシ幼稚園からも「信じられないほど感謝しています。御社の商品はとてもかわいいです」と感謝の言葉が返ってきたということで、今後の支援の輪の広がりにも期待している。
(TSKさんいん中央テレビ)