「健康寿命」を延ばすために1日どれだけ歩けばいいのか? 新たな分析結果をまとめた研究チームを取材した。
気軽にできる健康法“ウォーキング”
健康のために日頃気を付けていることは?街の人に聞くと「糖質制限。ご飯は1日3食のうち1食だけ」と食事を気にする女性や、「朝、体操しています」とラジオ体操を続けている男性。また「腕立て伏せや腹筋」と肉体を鍛えている男性など人それぞれだ。
この記事の画像(9枚)中でも“手軽にできる”こととして「歩く」と答える人が多かった。「血圧を低くするということで、歩くことを心がけている」(60代男性)、「ウォーキングです」(70代男性)、「普段は近所で3000歩か、4000歩、歩いている」(60代男性)と、ウォーキングに注目が集まっているようだ。
福岡市民の憩いの場、大濠公園は、池の畔は約2キロの周回コースになっている。猛暑の中、この日も歩く人たちの姿が多く見られた。
1日に歩く目安は何歩?
1日にどれくらい歩いているのか?ウォーキング中の人にたずねると「1万歩いかないくらい。体の調子が良くなりました」と話す男性や「7~8キロ(=約1万歩)。健康のため」と話す男性。「一応、目標は1万5000歩。それくらいが一番健康にいいと聞いたので。暑いですけど」(男性)と、健康のために「1日1万歩」を目安に歩いている人が多い。
一方、福岡市の繁華街、天神。街を行き交うビジネスマンや買い物をしている人は「2万歩くらい。普通に散歩するみたいな感じで歩いています」(男性)、「3時間は歩く。いろいろ見ながら動けるときに動こうかなと」(女性)と通勤やショッピングなど、日常生活の中に「歩くこと」を意識して取り入れている人が多い。
厚生労働省が発表した日本人の平均寿命は、女性が87.14歳、男性が81.09歳(2024年7月現在)。
世界の平均寿命ランキングを見ると、男性は5位、女性は39年連続で1位と、世界有数の長寿国となっている。
研究チームの答えは「1日9000歩」
長寿を目指して、一体、1日どれくらい歩けば健康維持に効果があるのか?また、歩けば歩くほど体にいいのか?そんな疑問について京都府立医科大などのチームが新たな研究結果を発表した。
京都府立医科大学の西真宏助教は「これまで、多く歩けば歩くほどいいという風潮があったが、9000歩を超えても効果は一定になる」と意外とも思える結果を発表。研究チームがたどり着いた答えは「1日9000歩」なのだ。
研究チームは、成人男女、約5000人分のデータを抽出して解析。その結果、1日9000歩までは歩数が増えるにつれて効果が明確に高まったものの、9000歩を超えるとほとんど差が出なかったという。
西助教は「これまで歩けば歩くほどいいと言われていたが、目標が明確になったことで、ウォーキングにこれから取り組もうという方は、明確な目標がある方が運動に取り込みやすいのかなと思いますし、そういう意味では目標値を提唱できたのはよかった」と話す。
厚生労働省によれば、1000歩の歩行距離は600~700mに相当する。1万歩には6~7km程度の歩行が必要になる。また歩行時間については1000歩で約10分かかるため、1万歩を歩くには100分=1時間40分歩く必要があるという。
誰もが気になる健康寿命。延ばすためには「1日9000歩」。意識してみてはいかが?
(テレビ西日本)