パリオリンピック女子ボクシング66kg級のエイマヌン・ハリフ選手(アルジェリア)と同57kg級に出場しているリン・イクテイ選手(台湾)が、「男性の染色体を持つ女性」だとして議論を呼んでいる。
両選手はともに銅メダル以上が確定。両選手の出場資格に関し、IOC(国際オリンピック委員会)とIBA(国際ボクシング協会)で意見が割れている。

トランプ氏「ロス五輪に出場させない」

パリオリンピック女子ボクシングの性別を巡る出場資格についての騒動の波紋が、世界に広がっている。

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アメリカのトランプ前大統領は「男性を、女性のスポーツから締め出す!彼は優れた“男性ボクサー”だ!」と演説。

さらに、次のロサンゼルスオリンピックには「出場させない」と述べた。

エイマヌン・ハリフ選手(右)
エイマヌン・ハリフ選手(右)

問題の発端となったのは、ボクシング女子66kg級の2回戦だ。

アルジェリアのエイマヌン・ハリフ選手は、イタリアのアンジェラ・カリーニ選手と対戦。
顔に強烈なパンチを浴びたカリーニ選手は、46秒で棄権するとリングにひざをつき、涙を流した。

「男性の染色体を持つ女性」

この試合に勝利したハリフ選手や、同じボクシング女子の57kg級に出場している台湾のリン・イクテイ選手が、「男性の染色体を持つ女性」だとして議論を呼んでいるのだ。

リン・イクテイ選手(左)
リン・イクテイ選手(左)

2人は、2023年の世界選手権で、男性のような骨格や筋肉を作り上げる際に重要な役割をする男性ホルモンのテストステロン値が高いとして失格。

しかし、IOC(国際オリンピック委員会)はパリオリンピックへの出場を認めた。

IOCと国際ボクシング協会で分かれる見解

その理由について、IOCのバッハ会長は3日の会見で、「女性であることに疑いの余地はない。女性として生まれ育ち、競技し、パスポートを持っている人が、なぜ女性とみなされないのか」と話した。

IOCのバッハ会長は「女性であることに疑いの余地はない」
IOCのバッハ会長は「女性であることに疑いの余地はない」

一方、IBA(国際ボクシング協会)は日本時間5日、「パスポートに何が書かれているかは問題ではない。最も懸念しているのは、彼女たちのホルモンのバランスが他の選手よりも明らかに有利なことだ」と声明を発表した。

2人とも銅メダル以上が確定

2人の選手の出場を巡り、意見が対立する中、ハリフ選手は準々決勝で勝利。
また、リン選手もブルガリアの選手に判定で勝利し、2人とも銅メダル以上を確定させている。

ハリフ選手「私は女性であり、これからも苦難に挑戦する女性であり続ける」
ハリフ選手「私は女性であり、これからも苦難に挑戦する女性であり続ける」

ハリフ選手:
私は女性であり、これからも苦難に挑戦する女性であり続けると全世界に向かって言います。

ハリフ選手は、日本時間7日に準決勝に臨む。
(「イット!」8月6日放送より)