パリオリンピックのサーフィンで、日本勢で唯一準々決勝に駒を進めた稲葉玲王選手(27)が豪快なライディングを披露した。
「チューブ」と呼ばれる“波のトンネル”を滑るようにくぐり抜けるなど、7.33のハイスコアをマークしたが、わずか0.34足りず準々決勝敗退となった。
女子では、松田詩野(21)が3回戦に登場したが、波に恵まれず本来の力を出し切れずに悔しい敗退となった。

選手村は豪華客船

今回サーフィンは、会場がタヒチということで大会前からも注目を集めていたが、選手村はどうなっているのか。

サーフィンの選手たちはクルーズ船に宿泊
サーフィンの選手たちはクルーズ船に宿泊
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実はタヒチのサーフィンの選手たちは、豪華客船で宿泊しているという。

開会式もタヒチでも行われ、パリの開会式は雨だったが、タヒチの開会式は青空のもと、各国の皆さんが手を振っていた。

日本の旗手を務めたのは、五十嵐カノア選手(26)だった。

雰囲気は南国リゾートの雰囲気の中だが、サーフィン競技は一転、かなりの死闘を繰り広げていた。

わずか0.43ポイント差で準々決勝敗退

今回日本勢で唯一準々決勝に進んだ初出場の稲葉玲王選手は、3回戦では2度の世界チャンピオンに輝いたブラジルの選手を倒し、さらに準々決勝でも、ペルー代表にわずか0.43ポイント差で惜しくも敗れた。

サーフィンは、1対1の対決で、決められた時間内でスコアが良かった2つのライディングの合計得点で争う。

タヒチの波は最大で7メートルに達するという
タヒチの波は最大で7メートルに達するという

波が巻いている中をライディングする「チューブ」という技が非常に大きな得点になるが、タヒチでは波が最大で大きいものでは7メートルほど、つまりビルの高さの3階ほどぐらいまで高くなるビッグウェーブが特徴で、東京オリンピックの倍以上は波が高くなるという。

タヒチの波は「生きるか死ぬかっていうレベル」

まさに命がけで選手たちは戦っているが、オリンピック前に「イット!」の宮司愛海キャスターが、稲葉選手にそのタヒチの波について聞いた。

宮司愛海キャスター:
ーー(タヒチの波は)どんなイメージですか?

稲葉玲王選手:
いやもうほんと、生きるか死ぬかっていう、そういうレベル。

ーー怖くないですか?
稲葉玲王選手:

怖いです。いつ行っても怖いですね。

ーー怖いっていうのは具体的に波が高いから怖いっていうこと?

稲葉玲王選手:
波もそうですし、あと下がサンゴで。水深が本当1メートルぐらいしかなくて。

ーーそんなに浅いんですか?
稲葉玲王選手:

浅いです。

タヒチの海は浅く、底はサンゴ礁だという
タヒチの海は浅く、底はサンゴ礁だという

タヒチの海は、浅いというのが特徴だが、高さだけではない。
一般的な海というのは、海底は砂だが、タヒチの海は海底がサンゴ礁になっている。
そのため、波に巻かれるとたたきつけられて命を落としてしまうこともあるという。

実際に今回の3回戦では、うねりが強く波が高い状態で行われ、そんな中、果敢にビッグウェーブに挑んだ稲葉選手は波にのまれてしまった。すると、稲葉選手も相手選手もサーフボードを折ってしまい、サンゴ礁の上で救助を待つ様子も見られた。

稲葉選手は今回惜しくも破れてしまったが、「世界のトップと戦えることを証明できた」と、次のロスオリンピックに向けて自信をのぞかせていた。
(「イット!」8月2日放送より)

イット!
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