外国人観光客に人気の撮影スポットで死亡事故が起きた。
しかし、外国の観光客による踏切事故はこれだけではない。
その背景には、踏切は海外では見ることが少なく珍しいという事情があった。

踏切で写真撮影中に列車にはねられ…

お盆休み真っ只中、外国人観光客に人気の撮影スポットで死亡事故が起きた。

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現場は佐賀・有田町にある神社のすぐ前の踏切。
有田焼で有名な町の神社には、磁器で作られた美しい青い鳥居が…。人気の撮影スポットで、参道を鉄道が横切っている。

事故が起きた13日、台湾からきた55歳の女性観光客が踏切で写真を撮影。
その時、後ろから来た列車にはねられたとみられる。

その後、女性は搬送先の病院で死亡が確認された。

陶山神社 宮田胤臣宮司:
(女性が)階段から下りた後に警笛が鳴ったから、もう一回階段を上って写真を撮ろうとしていた。そのままぶつかったみたいです。

事故があった踏切は、警報機はあるものの遮断機はなかった。

神社は、普段から外国語で書いた看板を設置するなど注意を呼びかけていた。

外国の観光客による踏切事故はこれだけではない。

1月には、神戸市の踏切で中国人観光客が死亡する事故が発生。
踏切のすぐ近くには信号があり、2人は信号を待つ際に待機場所と勘違いして線路内にいたとみられる。

迷惑行為が深刻な問題に

なぜ外国人観光客の踏切事故が相次いでいるのか。
取材班は、神奈川・鎌倉市にある人気の撮影スポットに向かった。

記者リポート:
撮影スポットとなっている鎌倉の踏切では、今日も多くの観光客でにぎわっています。

踏切付近には、観光客たちの人だかりが…。

この踏切は人気アニメ「スラムダンク」の“聖地”として知られ、世界中からファンが殺到。
一部の観光客が車道に出て撮影するなど、迷惑行為が深刻な問題となっている。

取材中にも、踏切内に立ち止まり危険な撮影を行う観光客。

記者リポート:
女性が写真を撮影していますね警備員の方が注意しています。聞くそぶりもなく、ずっと写真を撮っています。

警備員に注意されてもお構いなし。我が物で撮影を続けていた。

危険な撮影をした中国人観光客:
踏切で立ち止まってはいけないなんて知らないですよ。

実は踏切は、海外では見ることが少なく珍しいという。
そんな中、交通ルールは正しく伝わっているのか。

ハンガリーからの留学生:
ハンガリーには踏切はないよ。カンカンって音が鳴ったら電車がくる。

イタリア人観光客:
イタリアには踏切があるけど、ルールはよく知らない。

外国人の中には、踏切の交通ルールをよく知らない人もいた。

同じ鎌倉にある撮影スポットで、江ノ電の踏切のすぐ脇に鳥居が立つ御霊神社。
ここでは、観光客が線路に侵入しないよう、柵を設置するなどの対策をしている。

専門家は、外国の観光客に踏切事故が相次ぐことについて…

日本大学・綱島 均 特任教授:
外国人が踏切になれていないことが非常に大きな要因だと思う。写真を撮ることに集中して事故になるケースがあるのではないか。危険性があることを(外国人に)注意喚起をすることが非常に重要。
(「イット!」8月14日放送より)