山形・鮭川村中渡地区では、今回の豪雨で曲川が氾濫した。川の近くにあるキノコの栽培工場では、機械などが全て水没し、キノコ栽培の継続が厳しい状態となっている。

空調設備が故障し絶望的な状態に

鮭川村中渡にあるブナシメジの栽培工場・荒木バイオは、大雨で裏の曲川が氾濫し、工場が浸水した。

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31日、従業員とその家族合わせて約20人が床の泥をかき出していた。工場内は、まだ水が溜まっていたり、本来、レーンの上に置いてある瓶が床に散乱していた。

栽培中のブナシメジだけでなく、工場内にある全ての機械が泥水をかぶった。特にダメージが大きかったのは、浸水による空調設備の故障だ。

その影響で、本来、20度前後で管理しなければならないブナシメジの菌を培養する部屋では、気温が39度~40度近くまで上がってしまっていた。ブナシメジの栽培は徹底した温度管理が必要で、温度が高いと菌が死滅してしまう。

工場内の培養室には、ブナシメジの菌を植えた約70万本の瓶があったが、ほぼ全滅した。現在出荷できるものはない。

荒木バイオの荒木淳一社長は「ブナシメジは出荷まで3カ月~4カ月ほどかかる。片付けるまでにも時間がかかる、今シーズンは無理」と話す。

被害総額は億単位 廃業も視野に…

荒木社長によると、ブナシメジだけで約4000万円の被害が出ていて、機械なども含めると被害総額は億を超えるという。

荒木社長は「“鮭川といえばキノコ”ということで代々引き継がれてきた。後世に残したいなと思ってみんなで頑張って来たが、助けがないと自力では無理で、どうしようか悩んでいる」と心境を語った。

機械などは買い替えると莫大な費用がかかり、修理するにも数カ月かかる。荒木社長は今後について、「このままでは廃業も検討しないといけない」と不安を口にしていた。

(さくらんぼテレビ)

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