25日は東北地方が大雨に見舞われた。
午後1時過ぎに大雨特別警報が発表された山形・酒田市では、街の至る所が冠水した。同市の八幡(やわた)地区では、荒瀬川の決壊により、1888世帯に緊急安全確保が発令された。
また、同県の遊佐町では高速道路が崩壊する被害が出ている。
多くの川が増水し一部氾濫
山形県内では大雨によって多くの川が増水し、一部が氾濫。川の近くに住む人が避難所に駆けつけていた。

避難した人は「これは、おっかねえなって。橋にいたら越えてくるような雰囲気で、みんな逃げてきた」と振り返る。
山形県・酒田市と遊佐町は、記録的大雨となって多くの川が増水し、一部が氾濫した。

FNNのカメラが捉えたのは、山間部を流れる鮭川(さけがわ)。
鮭川は普段は川の底が見えるほど水位が浅いということだが、午後2時現在は氾濫注意水位に達していて、付近の住民には避難が呼びかけられていた。
朝6時頃の鮭川の様子を捉えたカメラでは、橋の周りに多くの草木があるのが確認できる。

ここから徐々に川が増水し、午後3時頃にはほぼすべての草木が水の下に沈んだ。
鮭川村に設けられた避難所には、川の近くに住む人たちの姿があった。

避難してきた近隣住民の1人は、「雨も降ってやまなかったし、雷もなるし、すごい大変な状況だった」と話した。
鮭川村は16世帯47人を対象に、避難指示を出している。
酒田市などを流れる荒瀬川では、茶色く濁ったが水が激しく流れ、一部が逆流し、道路に水があふれ出した。

酒田市の八幡地区では、荒瀬川の決壊により1888世帯に緊急安全確保が発令された。
同じく 酒田市内を流れる日向川(にっこうがわ)では、茶色く濁った水が激しく流れていた。酒田市では街の至る所で冠水。車が水しぶきを上げて走っている。

午後1時過ぎに大雨特別警報が発表された酒田市では、街の至る所が冠水するなど被害が出た。近くに住む人は、「車が冠水してしまって、膝の上ぐらいまでつかるような状態」と話す。
増水した川の近くに住む人からは「(こんなに水かさが上がるのは)初めて、初めて。こんなになることないですかね」と驚きの声が聞かれた。
山形県・真室川町では、道路が川のようになっていた。近くを流れる塩根川の水は、茶色く濁っていた。
普段災害起きない場所でも警戒必要
気象庁は山形県で大雨特別警報が発表されたことを受け、午後2時に緊急の会見を開いた。
気象庁 杉本悟史予報課長:
命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保しなければならない状況です。また、普段災害が起きないと思われているような場所でも、災害級の警戒が必要です。

山形県では活発な梅雨前線の影響で線状降水帯も発生するなど、記録的な大雨となっている。
今後も周辺地域で災害が起きる恐れがあるとして、直ちに身の安全を確保するよう呼びかけている。
高速道路の斜面が崩落
また、大雨特別警報が発表された遊佐町では、日本海東北道の斜面が崩落した。
遊佐鳥海インターと遊佐菅里インターの間は、午前11時から上下線が通行止めとなっている。
4月に開通したばかりの道路で、大雨の影響で幅5メートル、高さ10メートルほどの規模で崩落したとみられる。

道路を管理する酒田河川国道事務所によると、崩落の規模などを早ければ25日中にくわしく調査したうえで、雨の影響を最小限に食い止め、これ以上は穴が大きくならないように応急工事を行うという。
(「イット!」7月25日放送より)