岐阜県各務原市で高校生など2人が犬にかまれ大ケガをした事件で、岐阜地裁は7月17日、飼い主の女に有罪判決を言い渡しました。2人をかんだ犬は「世界最強の闘犬」とも呼ばれるピットブルでした。
各務原市に住む高校生、原口将さん(16)は2023年8月、自転車で登校途中に犬にかまれ、全治1カ月半の大ケガをしました。およそ1年が過ぎても足には傷痕が残っています。
その襲ってきた犬は“世界最強の闘犬”、ピットブルでした。
原口将さん:
黒い色をしたピットブルでした。(ピットブルの)リードを持っていたんですけど、ちゃんと制御しきれていなかった感じです。
ピットブルを連れていたのは80歳の高齢男性で、男性に散歩をさせていた飼い主の27歳の女が重過失致傷の罪で2024年3月、起訴されました。
女は2022年11月にも、自ら散歩させていたピットブルが当時83歳の女性に噛みつき、全治1カ月の大ケガをさせた罪にも問われています。
ピットブルはもともとアメリカで闘犬用に交配された犬種です。自らもピットブルを飼っている、動物研究家のパンク町田さんに話を聞きました。
動物研究家のパンク町田さん:
普段は非常におとなしくて、人間に対して非常に穏やかな犬です。ですけど一度怒り出すと止まらないので、怒り出すとか興奮することがないように飼育するのがコツになるかと思います。
日本では一部の自治体を除いて、飼うための規制はありませんが、イギリスなどでは飼うことが禁止されています。
動物研究家のパンク町田さん:
飼育される方々は、自分がまず犬のエキスパートにならなければならないと思います。そして、もしそのような犬とすれ違ったりする時は、ちゃんとリードでつながっているかとか、飼い主がそばにいるかとか、確認した上ですれ違うように。
飼い主の女の裁判で2024年5月、検察側は「ピットブルに力負けして十分に制御できないと認識していた」などと厳しく指摘し、禁錮6か月を求刑しました。弁護側は執行猶予を求めていました。
7月17日、岐阜地裁は「ピットブルのしつけが出来ておらず、不適切な仕方で散歩をさせたら、重大な事故が生じる危険は十分予見できた」などとして、禁錮6カ月、執行猶予4年の判決を言い渡しました。
原口将さん:
大型犬を見ると思い出して、ちょっと怖いなと思います。僕以外にもピットブルに噛まれた人がいるし、条例か何かを作って飼うのを制限してほしいと思います。
(東海テレビ)