スポーツの強豪として知られる鹿児島・いちき串木野市の神村学園で7月、高等部・調理科の生徒が「高校生レストラン」を開催した。約3カ月かけて、メニュー決めや食材の仕入れ発注、調理や販売までを生徒たちが行い、“サワラの幽庵(ゆうあん)焼き”や“大葉の春巻き”など、授業で身につけた知識や技術を披露した。
素材や調理にこだわり 弁当の包みも
7月12日、「高校生レストラン」のために、生徒たちは素材や調理法などにこだわった本格的なお弁当やお菓子を作った。
この記事の画像(9枚)お弁当に入るシイタケなどの煮物は、味が均一に仕上がるよう素材ごとに丁寧に煮込み、バランスを考え、魚だけではなく肉料理も添えたいと「キャベツのしゅうまい」も考案した。
お弁当を包む台紙も生徒がデザイン。台紙デザイン担当の調理コース3年生・菅理香子さんは、「『REGARO』がイタリア語で『贈り物』という意味なので、お客さんが風呂敷を開けた時、幸せな気持ちになるようにと、青い鳥で幸せを強調しました」と、デザインに込めた思いを話す。
事前予約制 生徒たちが自ら販売も
この日は、調理コースのお弁当150個とパティシエコースの焼き菓子セット100個が用意された。メニュー決めや仕入れの発注など、約3カ月かけてカタチになったお弁当だ。
午前11時に販売がスタートした。商品は事前予約制で、生徒自らがレジに立ち、笑顔で「ありがとうございます!」と声をかけ、販売も手がけた。
来場した保護者の1人は、「息子が3年生で今度卒業する。最後に買っておこうと思いました。たくさん頑張ってきたから、味わって食べようと思います」と目を細めた。
「娘がいるものですから」と語る保護者は、どんな思いで食べたいですか?との問いに、「子どもたちの集大成でもあると思うので、楽しみに感謝しながら食べたいと思います」と答えていた。
客は笑顔…充実感を得て次の準備へ
生徒たちも充実感を得た様子で、今回のレストラン開催について笑顔で語る。
調理コースリーダー 3年生の宮田京香さんは、「発注したものが届いていなかったり、色々トラブルがあったけれど、みんな素早く対応してくれて、本当にやっとここまできたな、という感じでうれしいです」と安心した様子。
また、パティシエコースリーダー 3年生の木原りおんさんは「お客さんが笑顔で商品を受け取っている姿を見て、お客様にいいものが渡せたのでよかったです」と充実感を感じていた。
これまで学んだ調理の授業に加え、レストラン開催という大きな経験を積んで成長した生徒たちは、12月に開催される次の「高校生レストラン」に向けて準備を進めていく。
(鹿児島テレビ)