岸田首相は3日、日本銀行本店を訪れ新紙幣の発行の現場を視察し、新紙幣について「1万円券は近代日本資本主義の父と言われる渋沢栄一氏、5000円券は、女性の地位向上と女性高等教育に尽力をされた津田梅子氏、1000円券は、破傷風やペストの克服に多大な貢献をされた北里柴三郎氏が肖像として取り入れられている。今30年ぶりに成長型の新たな経済ステージに移行しようとしている。その際に日本の資本主義、女性の活躍、科学技術・イノベーション、これらを代表する人物を肖像とするまさに新しい紙幣、時代にふさわしい紙幣であると思っている。新紙幣が国民の皆様に親しまれ、日本の経済に元気を与えてくれることを期待したい」と述べた。
岸田首相はまた、「新紙幣の発行が開始される歴史的な日となった」と視察の感想を語り、「今回の視察で実際に新紙幣を拝見し、世界最高水準の偽造防止技術を搭載している、さらには目の不自由な方、外国人の方にも配慮したデザインとなっている。そうした技術やデザインについて実感をさせていただいた」と述べた。
首相の視察に同行した日銀の植田総裁は「キャッシュレスが進展しつつある世の中ではあるが、依然として現金は誰でもいつでもどこでも安心して使っていただける決済手段いうことで重要だと考えている。日本銀行としては、現金に対する需要がある限り責任を持って供給をしてまいりたい。国民に行きわたり、安心して使っていただき、それによって経済の潤滑油となっていくということを期待している。もちろんこれまでのお札もこれまで通り使っていただけるので、理解をよろしくお願いしたい」と述べた。