首相と野党が直接対決する党首討論が19日、約3年ぶりに開催された。岸田首相と論戦を張ったのは、「立憲民主党」泉健太代表、「日本維新の会」馬場伸幸代表、「共産党」田村智子委員長、「国民民主党」玉木雄一郎代表だ。「総理、解散しましょうよ」「内閣総辞職して総理を変えてください」と各党党首から迫られる場面もあった。
岸田首相 就任後初の党首討論
19日、岸田首相が就任後初めて臨んだ党首討論では、野党4党の党首から厳しい追及が相次いだ。
この記事の画像(37枚)立憲民主党・泉健太代表:
国民の皆さん、全く納得していませんよ。(ヤジ:そうだ!)
国民民主党・玉木雄一郎代表:
総理は四面楚歌じゃないですか…。
過去には党首討論がきっかけで解散総選挙につながったこともある。
2012年11月 民主党・野田佳彦首相(当時):
私はいずれにしても結論を得るため、後ろに区切りをつけて結論を出そうと。16日に解散をします。やりましょうだから。
自民党・安倍総裁(当時):
今、総理、16日に選挙(解散)するという約束ですね?約束ですね?よろしいんですね?よろしいんですね?
民主党政権だった2012年の党首討論で、当時の野田総理が自民党・安倍総裁に対し衆議院の解散を明言した。これを機に、政権交代が起きたのだ。
19日の党首討論でも 野党側が解散を強く迫る場面があった。
立憲民主党・泉健太代表:
是非、総理。改めですが、解散しましょうよ。
日本維新の会 馬場伸幸代表:
内閣総辞職して総理を変えてください。
「2億円集めてるんですよ」「あなたたちが抵抗勢力ですよ」
今の国会で最大の焦点となった政治資金規正法の自民党改正案は、19日の参議院本会議で自民・公明両党の賛成多数で可決・成立した。
それから、約3時間後に党首討論が行われる部屋に岸田首相が到着し、午後3時、まず相対したのは立憲民主党の泉代表だった。
立憲民主党・泉健太代表:
思いのほか近いですね(笑い)
泉代表が追及したのは政党から政治家個人に支出される政策活動費についてだった。
立憲民主党・泉健太代表:
これ、政策活動費はどの党も全面公開か廃止だと言って自民党に迫ってきた。でも、自民党はそこを死守をした、今回の政治改革案。だとしたらですよ、これ、自民党、本気で次の総選挙の時にも各候補者や現職の議員たちに政策活動費を執行するんですか。
岸田首相:
この政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で作った制度。この制度に基づいて政策活動費を使っていく。今回のこの結論、これは重要な結論であり党としてもその結論を守ってまいります。
立憲民主党・泉健太代表:
全然答えてないし、これ自民党だけですよ。そんなことで抵抗しているのは。あなたたちが抵抗勢力ですよ(ヤジ:そうだー!)
一方、泉代表の追及に対し岸田首相が反論する、党首討論ならではの場面も見られた。
岸田首相:
この禁止・禁止・禁止というのは、大変気持ちがいいかもしれない。分かりやすいかもしれない。しかし、現実的な政治の中で政治資金というものは、民主主義を支える大変重要な要素であります。私たちは現実的な対策を今説明をさせていただいたわけでありますが、ぜひ御党にもこうした責任ある具体的な政策、これをしっかり提示していただきたい。これを思っております。(ヤジ:失礼だろ~)
立憲民主党・泉健太代表:
総理ね、金集めですごい人たちばっかり集まってやっているから、普通の国民は入れないんですよ、総理。だってね、総理、2億円集めてるんですよ。そんなに集めてね、みんなに真似しろ?できるわけないじゃないですか、そんなもんは。(ヤジ:そうだそうだ!拍手)ふざけるなと言いたいですよ。
そして泉代表は最後に、衆議院の解散を求めた。
立憲民主党・泉健太代表:
ぜひとも政権交代をさせていただきたい。その為にもぜひですね、総理、改めてですが解散しましょうよ。
岸田首相:
結果を出していく。これに専念をしていかなければならない。これが今の私の立場であります。それ以外のことは考えていない。それが解散を迫られた質問に対するお答えであります。
岸田首相はこのように述べ、解散を否定した。一方、立憲民主党は20日、内閣不信任決議案を提出することを決めた。
(「イット!」 6月19日放送より)