新型コロナウイルスの影響で、2020年の「仙台七夕まつり」は中止となったが、その代わりに、仙台市内29の商店街では七夕飾りが掲げられる。
伝統をつなぐだけでなく、「希望」を与える「七夕」となっている。

展示飾りの企業に中止の連絡

七夕飾りの制作を請け負う若林区の鳴海屋紙商事。

130年以上の歴史がある鳴海屋は、50年ほど前から企業の七夕飾りの注文を受けるようになり、今では仙台七夕まつりに展示される飾りの3分の2を作っている。

2020年も、4月の段階で約50基の七夕飾りを完成させていたが…

鳴海屋紙商事・数井道憲社長:
中止? はい、わかりました…ご苦労さん。中止だそうです

この日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、仙台七夕まつりの中止が決まった。

鳴海屋紙商事・数井道憲社長:
仙台にとって大イベントの七夕まつりが正式に中止となって、非常に残念な思いで一杯です

各地の商店街に七夕飾りを掲げることに

中止決定から3カ月…

鳴海屋紙商事・数井道憲社長:
こちらに完成品を保管している

ーーどこの商店街の?

鳴海屋紙商事・数井道憲社長:

大町商店街のもので、あとは設置待ちという状況になっている

市内中心部で開催される仙台七夕まつりの中止を受け、2020年は各地の商店街で七夕飾りを掲げることになった。
作業場は、いつもの光景に戻っていた。

作業員:
やはり仙台七夕だから飾ってもらうとうれしい

作業員:
いつものよりも小さいけど、同じ七夕飾りなので、みなさんに楽しんで飾ってもらえればいいかなって

鳴海屋紙商事・数井道憲社長:
実際5月いっぱい作業も全面ストップという状況だったが、各商店街からいくつも話をいただき、われわれも作業しながら七夕まつりに携われるのが、改めてうれしいと認識した

若林区の荒町商店街。
商店街振興会の理事長を務める佐藤隆俊さんは、七夕を心待ちにしながら準備をしていた。

荒町商店街振興組合・佐藤隆俊理事長:
雨が降らないように念じて、今年は降らないでねと思い作っている

「伝統を子どもたちに知ってほしい」

この日、佐藤さんは児童館に向かった。
集まったのは、荒町小学校に通う1、2年生。商店街に飾る七夕飾りを児童に作ってもらう。
商店街がこのような取り組みを行うのは、2020年が初めて。
この機会に伝統を知ってもらおうと、佐藤さんは古くから伝わる「七つ飾り」について教えた。

荒町商店街振興組合・佐藤隆俊理事長:
吹き流し、巾着、投網、着物、折り鶴、短冊、屑籠というふうに7つ種類があります

「七つ飾り」には、それぞれ意味が込められている。
例えば「吹き流し」は、織姫の織り糸を象徴するもので、機織りや習い事の上達を願うもの。
「投網」は豊漁を願うほか、幸運を手繰り寄せるという意味が込められている。

荒町商店街振興組合・佐藤隆俊理事長:
巾着はどういうために作るのか?

児童:
お金が少なくならないように、ちゃんと生きていけるように作る

荒町商店街振興組合・佐藤隆俊理事長:
中身がなくならないように巾着を作り、家族で仲良く幸せに過ごせるように巾着を作る

子どもたちは七つ飾りのほかにも、花や鶴などの飾りを教えてもらいながら作った。
子どもたちが書いた短冊や七夕飾りは、例年の期間に合わせ、商店街に面した児童館の前に飾られる。

ーー自分の作ったものが飾られるのはどう?

児童:

緊張する。恥ずかしいな~って

児童:
みんなに見られて、うれしい

荒町商店街振興組合・佐藤隆俊理事長:
今年だけに限らず、来年、再来年と子どもたちと地域の七夕飾りを作っていきたい

そして8月5日夕方、若林区の荒町商店街では七夕飾りの設置が始まった。
児童館の子どもたちも七つ飾りの意味を学んで、味わい深く飾りを眺めているのでは…。
仙台市内29の商店街では、6日から3日間 それぞれの七夕飾りを飾るという。

(仙台放送)