正社員とのバランス 貧富のバランス

与党の税制大綱が決まり、年収850万以上のサラリーマンの所得税増税が決まった。それ以下は減税となる。

理由は二つある。

一つは、高齢者やママさんなど、新しいタイプのフリーランサーが増えたので正社員とのバランスを取る。サラリーマン優遇の是正。

再来年消費税を10%に上げるが、これは低所得者に不利なので、貧富のバランスを取る。

という2つのバランスを取るのが増税の理由。
 

日本の中間層の取得税は、安い

実は、日本の中間サラリーマン(年収500~800万)の所得税は、米国や英国、ドイツなど日本と似たタイプの国と比較すると、どこよりも安い。

日本は取得税も消費税も安いし、庶民には暮らしやすい国だ、他国の人は言う。

日本人は「格差、格差」と騒ぐ割に、意外とポピュリズムが広がらない。

英米では、ブレグジットやトランプ誕生など政治の混乱が続いている。
日本でも、モリカケや小池劇場で、もしやと思ったがあっけなく終息し、安倍政権継続が決まってしまった。

日本のサラリーマンは税金も安いし、自分で申告もしないので納税者意識も低い。

政治家や官僚が税金の無駄遣いをしてもピンとこないのだ。
 

 
 
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日本人よ、税金の使い道を真剣に考えよ

欧米では、一円たりとも税金を無駄遣いさせない、という国民の気迫のようなものを感じるが、日本ではそれがない。

NYの地下鉄が臭いのは、市議会が掃除の予算を認めないから。
ドイツには渡れない橋がいっぱいあるが、それは修理費を州議会が認めないから。

これに比べると日本は、ぬるま湯国家だなあと思う。

サラリーマンの人!
皆さん、自分がいくら税金払ってるか知っていますか?知らないのに増税だと騒いでも仕方がない。

日本のサラリーマンも、もっと増税されれば、税金の使い道を真剣に考えるのではないだろうか。

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。