儲かりすぎる素晴らしいシステムの弱点

コインチェックの仮想通貨580億円が一瞬にして消え去った事件。
僕はあまり驚かなかった。
だって最近よくある話でしょ。

しかし、社長が会見で「580億全部返す」と言ったのには驚いた。
580億円をキャッシュで持ってるんだ!
どんだけ儲かるんだよ。

でも、その儲かりすぎる所がこの素晴らしいシステムの弱点なのだ。
 

仮想通貨が世界の貧困を救う

 
 
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仮想通貨は単に値動きの激しい金融商品だと思っている人が多いかもしれないが、実はそれだけではない。

このブロックチェーンという技術は簡単に言うと、お金や重要な文書など価値あるものをネットで、安全にかつ安く送れるという画期的なシステム。

これはすごいこと。

今までネットは必ずしも安全ではなかったので、仮想通貨はIT革命より大きな変化になる可能性があると言われている。

これが進化すると、冷蔵庫も自動車も家すらも無料になるかもしれない。
ベーシックインカムが普及し、世界に貧困がなくなるかもしれない。

産業革命は蒸気、電気、コンピューター、インターネットと発達し、その先はロボットかバーチャルに進むと言われている。

それなのに仮想通貨をただのちょっと危ない投資対象としか考えていないとしたら、それはとんでもない誤解だ。
 

国会は未来の日本についてもっと議論せよ

 
 

経済界、国を挙げて、この新しい波に遅れないようにしなくてはならない。
問題はその安全性だ。
580億円が突然消えてなくならないようにしないといけない。

例えばメガバンクとか、あるいは中央銀行(日銀)が、”ニチギン・コイン”のような仮想通貨を作るなどの手もある。
実際そういう国もあるが、投機性がゼロになると魅力もなくなるかもしれない。
難しいところだ。

政治家も官僚ももうちょっとこの問題を真剣に考えた方がいい。
国会が始まったが、モリカケや線香の話ばかりで仮想通貨のことはほとんど議論していない。
線香なんか法律変えてOKにすりゃいいだけの話じゃないか!
そんなことに貴重な国会を使わないでくれ。

仮想通貨の議論、日本の未来の議論をちゃんとしてくれ!
日本はIT革命で乗り遅れた。
今回は乗り遅れないようにしなければならない。
 

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。