非常に多い家庭内感染

東京都によると、1日に感染が確認されたのは472人で、7月31日の463人に続き2日連続の400人超え、3日連続で過去最多も更新している。このうち20代と30代は合わせて324人で、およそ7割を占めている。

過去最多となった理由のひとつを都の担当者はこう述べた。
「4連休に外出とか、遊びをされた方が感染された例が多くなった結果がこういう数字になったのかと思う」
聞き取り調査の結果、7月25日に友人5人とバーベキューをして感染、7月23~26日に友人と旅行、友人とキャンプ、25日に8人で飲み会など様々なケースがみられたという。
屋外でのバーベキューなどだと、密閉でないから大丈夫、と思いがちだが「鉄板など、同じものをつつくと感染する可能性はある」(都の担当者)とのこと。

一方で感染経路が判明している167人のうち非常に多かったのが家庭内感染で、50人にのぼっている。
同居の子供から30代男性と20代女性、60代男性と女性、80代女性、合わせて5人が感染、一つの家族から6人の感染者が出たことになる。
同居の父親から50代女性と10代女性、20代男性2人、合わせて4人が感染して、一家族から5人の感染者がでている。
これ以外も10歳未満の子供3人が父親から感染、一つの家族から4人。
10歳未満の子供3人が父親から感染、10歳未満の子供2人が母親から感染などもあった。
家のなかだとマスクをしない御家庭も多いと思うが、家庭内だといっぺんに複数の、しかも大人数を感染させる事例が頻発している。都の担当者は家の中であっても「具合の悪い人がいたらマスクをするとか医療機関にいくとか、早めにしないと皆さんかかってしまう」と危機感とともに警鐘をならしている。

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医療現場はもう限界。特に週末は入院できない事態も。

3日連続の過去最多更新は、医療従事者への負担を非常に大きくしているのは間違いない。
関係者によると1日は保健所で入院調整が出来ず都庁への入院調整依頼件数110件あったものの、ベッドが見つからず。40人程が積み残しになる見込みだという。
ある関係者は、患者が増えて病床が追いつかなくなるのでは、という苦しい胸の内を「日曜日なので、状況はもっと厳しい。第一波以来、再び借金地獄の日々になる」と危機感を吐露した。

感染者を減らす方法は「自衛」以外にない

小池知事は東京アラート解除を決めた6月11日に「自粛から自衛」といったが、これはネット上で批判的な意見も多かった。その批判が耳に入ったからかどうかはわからないが、それ以降小池知事は「自粛から自衛」と言わなくなった。
しかし、ここまで感染者が増えてしまった今、感染者を減らす方法は、手を洗う、マスクをする、ソーシャルディスタンスを保つ、など1人1人が感染予防対策の基本をしっかり守っていく、まさに「自衛」以外に道はないのではないか。

執筆:社会部都庁担当 小川美那

小川美那
小川美那

「お役に立てれば幸いです」 見てくださる皆さんが“ワクワク&ドキドキ”しながら納得できる情報をお伝えしたい! そのなかから、より楽しく生き残っていくための“実用的なタネ”をシェアできたら嬉しいなあ、と思いつつ日々取材にあたっています。
フジテレビ報道局社会部記者兼解説委員。記者歴20年。
拉致被害者横田めぐみさんの娘・キムヘギョンさんを北朝鮮でテレビ単独取材、小池都知事誕生から現在まで都政取材継続中、AIJ巨額年金消失事件取材、TPP=環太平洋経済連携協定を国内外で取材、国政・都政などの選挙取材、のほか、永田町・霞が関で与野党問わず政治・経済分野を幅広く取材。
政治経済番組のプログラムディレクターとして番組制作も。
内閣府、財務省、金融庁、総務省、経産省、資源エネルギー庁、農水省、首相官邸、国会、財界(経団連・経済同友会・日商・東商)担当を経て現在は都庁担当。