能登半島地震で休業を余儀なくされた能登町の旅館がある。九十九湾の絶景が広がる場所に立つ能登九十九湾・百楽荘。地震や津波などで、甚大な被害を受けて、修繕を続けてきた。約3カ月半ぶり準備が整い、客を笑顔で迎える事になった百楽荘の一日を取材した。
九十九湾の絶景広がる旅館が再開
ミーティングの様子:
震災から3カ月と18日が過ぎて、きょう19日ですね。やっと再開することができたなあと思います。
2024年4月19日に営業を再開したのは、能登町にある旅館、「能登九十九湾・百楽荘」
この旅館では、能登半島地震で客室の壁紙などに亀裂が生じていたが、修理が終わりようやく営業を再開することが出来た。
能登九十九湾・百楽荘 田保政紀支配人:
単純に嬉しいというのが1つですね。やはり3カ月半ぶりの再開という事で、お客様に来ていただけるという事が、1番嬉しいしありがたいことだと思います。
今も津波被害の爪痕残る
しかし…
田保支配人:
こちらご覧頂ければわかると思うのですが、この高さまで津波が入りました。なので、お食事処の中も全て浸水しました。
食事処の一部は、地震と津波の影響で復旧にはまだまだ時間がかかると言う。釣りが楽しめる桟橋も流されたまま…。それでも食事の時間を細かくずらすなどの工夫をして営業再開を決断した。
田保支配人:
まわりがまだ、復興の最中。いち早く再開するという事が正しいのかどうなのかと言う、非常に葛藤はあったんですが、消費のサイクルをすることで、すこしでも、例えば生産者とかにお金が落ちたりとか、小さなことですがくり返していくことしか復興の道はないと思っています。
社員全員が集まるのは震災後初めて。中には4月に配属されたばかりの10人の新入社員もいる。
新入社員は:
復興に向けて自分も一員として頑張れるように、改めて心を引き締めて頑張ります。
約3カ月半ぶりの再開に支配人も「泣きそう」
待ちわびた瞬間が訪れた。
社員:
いらっしゃいませ!
3カ月半ぶりの営業再開。初めての客を迎えて支配人は…
田保支配人:
自分でもびっくりしているんですけど、普通に笑顔出ましたね。本当に、なんて言うんでしょう、泣いちゃうかも知れません。
輪島市出身のこちらの客。百楽荘を選んだ理由を聞くと…。
女性客:
きのうが誕生日だったんです。
男性客:
誕生日祝いも兼ねています
女性客:
食事も楽しみですし、景色、それだけで良いと思って来たので。
男性客:
ゆっくり館内の様子を見たりして過ごしたいと思っています。
地震発生からまもなく4カ月。被災地も少しずつ、復興に向けた歩みが進んでいる。
(石川テレビ)