能登半島地震で被災した石川・輪島市の建物。
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中から出てきたのは、お椀(わん)だ。
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ここは「輪島塗」を作る工房。
能登半島地震でその多くが被災し、伝統は“存続の危機”に瀕していた。
避難生活を送りながら、輪島塗の再建に情熱を燃やすのは、工房の主・池下満雄(いけした・みつお)さん。
御年86歳。
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「きょうもこうして避難生活をしていても、仕事のことは一切忘れていない」
「木地職人」として70年以上、器を作り続けている池下さん。
輪島塗の職人たちから、「日本の宝」と呼ばれている。
「輪島の漆器は、なんとかして生き延びなければと思っている」
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池下さんの思いに答えようと、職人たちが力を合わせ、池下さんの工房を再建。
3月下旬、完成した。
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再び息を吹き返した工房に入った池下さん。
50年以上使い続けてきた「ろくろ」の前に座ると、おもむろに木を削り始めた。
「まだ大丈夫やね」
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── 手は覚えていますか?
「うん、楽しい」
池下さんは先週、避難先から戻り、4月中旬、復活した工房で仕事を再開した。
池下さんが描く「輪島塗」の未来とは。
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「輪島塗のこういうの楽しいし、若いもんにあれ(指導)して頑張りたいね」
池下さんの「輪島塗」を愛する気持ちがこもった活動はあすも続く。
(「イット!」4月16日放送より)