満員御礼の東京・両国国技館が、この日は特別なムードに包まれた。

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EXILEの「Rising Sun」を熱唱し、土俵の上で自慢の歌声を披露しているのは、人気力士・平戸海関(23)。手拍子とともにペンライトの光が会場に輝き、まるでライブ会場にいるかのような盛り上がりだ。

さらに、髙安関(34)は、亡き谷村新司さんの名曲「昴」を熱唱。その美声でファンを酔わせた。

力士たちの歌声が披露されたのは、能登半島地震の復興支援を目的とした「勧進大相撲」の一幕。「のど自慢」や握手などのファンサービスに来場者の多くの喜ぶ姿がみられた。

「北陸の皆さまを元気に」62年ぶりの開催“勧進大相撲”

16日、開催されたのは能登半島地震の復興支援を目的とした「勧進大相撲」だ。

開催されるのは、戦災に見舞われた大阪の四天王寺再建を目的と行われて以来、62年ぶりだ。入場料の全額を、義援金として寄付する。

髙安関(34):
北陸の皆さまに元気になってもらうよう精いっぱい頑張ります。

いつもとはひと味違う“勧進大相撲”に来場者は大喜び

相撲を披露し、寺院や神社などの建立、修繕費用などの寄付を募る「勧進大相撲」。この日は、その第一幕として、北陸にささげる応援歌の「のど自慢」が披露された。

被災地のひとつ、石川県七尾市出身の十両・輝関(29)は、福山雅治さんの「家族になろうよ」を披露。後ろ姿で表情はうかがえないうが、その歌声に会場は一つになっていた。

さらに注目を集めたのが、石川県穴水町出身の遠藤関(33)と髙安関の取組。

こうした取組のほか、握手やサインなどのファンサービスに来場者は大喜び。石川県津幡町出身の大の里関(23)との写真撮影には、長い列が出来ていた。

「感謝しかない」北陸出身の力士たちの声

盛り上がってくれたファンに北陸出身の力士からは、感謝の声が上がった。

遠藤関:
今日も朝から来ていただいたお客さんに、声かけていただいて、こうやってふれあえて良かったです。

さらに、支援の動きが続いていることについては、「感謝しかないです」と話した。

大の里関:
祖父が避難してますし、勝つってことがやっぱり一番の元気を届けることだと思うんで、次五月場所に向けて頑張りたいと思いますね。

62年ぶりに行われた「勧進大相撲」。入場料の全額が被災地支援の義援金として寄付される。
(「イット!」 4月16日放送より)