リニア中央新幹線をめぐる問題はどうなるのか。静岡工区の着工を認めていなかった静岡県の川勝知事が4月2日、唐突に「辞職」を表明した。長野県飯田市の経済団体は「一つの大きな障害が減る」と、早期の開業に期待感を示した。
辞職表明…リニアはどうなる
静岡県・川勝平太知事:
「6月議会をもってこの職を辞そうと思っています」
2日、唐突に辞職を表明した静岡県の川勝知事。
1日、新規採用職員への訓示の場で「職業差別」とも取れる発言をし、問題となっていた。
川勝知事が辞職することによって影響を受けそうなのが、リニア中央新幹線だ。

静岡工区の着工の見通し立たず…
JR東海は当初、開業目標を2027年に設定していた。
しかし、川勝知事が環境問題などを理由に工事に反対。 現在も静岡工区の着工の見通しは立たず、JR東海は先日、「2027年の開業は実現できない」と表明した。
「開業時期は見通せない」としているが、一部報道では静岡工区の工事は10年ほどかかり開通は「2034年以降」とされている。

地元経済界「大きな障害減る」
県内唯一の駅ができる飯田市。
地元の経済界は、川勝知事が辞職の意向を示したことについて、どう受け止めているのかー。
飯田商工会議所の原勉会頭は 「一つの大きな障害が減る。(開業が)2034年が良いかは別として良い情報だと理解している」と話した。
また、原会頭はJR東海に対しても「地元にもしっかりと説明し早く見通しを示してほしい」と要望している。

市民は冷静な受け止め
佐藤健飯田市長は「最大の不安定要素がクリアされる可能性が出てきた」「着工に至るにはいろいろな手続きがあると思うので静岡県、JR東海の協議のスピードを上げてほしい」などとコメントしている。

一方、飯田市民は 「(静岡工区は)早く着工してほしいですね。リニアが開通することは早い方が良いと思います」、 「10年後まで開通しないのはもう決まっていますので今、辞められてもどうこうってことはない。一番反対していた川勝知事が辞めることで、それ以上延びることはないとは思いますけど」などと話している。

川勝知事の辞職表明。
リニア中央新幹線の開業にどれだけの影響が出るのか、注目される。

(長野放送)