西海市の長崎バイオパークで、ある動物が手作りならぬ「歯づくり」したグッズがインターネットを中心に話題を呼んでいる。同じものは2つとない“逸品“の驚きの活用方法とは。

森の建築家が歯づくりした芸術品

長崎県西海市の長崎バイオパークは約200種・2000匹の動物を飼育している。

直接触れ合うことができるカピバラ
直接触れ合うことができるカピバラ
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「泳げないカバのモモちゃん」で全国的に有名になった動物園でもある。動物と間近に触れあえるのが人気の理由のひとつだが、いま話題になっているグッズがある。売店ではなく、園内にあるというそのグッズを探しに行った。

テレビ長崎 中村葉月アナウンサー:あれかな?ビーバーがかじった木、1本2000円で売られています。多分これだ!!

ビーバーの飼育舎前で販売中
ビーバーの飼育舎前で販売中

これが今話題の「ビーバーがかじった木」だ。

「森の建築家」とも呼ばれるビーバーは、木をかじって巣をつくるためバイオパークでは木を与えていて、そのかじり終わった木を販売している。

長崎バイオパーク ビーバー担当 山本燿一朗さん:毎日かじり面を見ていたらこれは芸術的だなと思って、売れるんじゃないかと思い売り始めた。興味をもって見てくださる方が増えたと感じる。面白いと言ってもらえることが多いのでうれしい

問い合わせ・購入希望者が殺到

2024年2月中旬から販売を始めX(旧Twitter)で宣伝をすると、2万8000件の「いいね」がつくほどの反響があった(2024年3月20日時点)。全国からも問い合わせがあったという。

特に希少なのが「ダンベル型」で、これまでに1つしかない。その驚きの活用方法のひとつを飼育員の山本さんが見せてくれた。

長崎バイオパーク ビーバー担当 山本燿一朗さん:もちろん筋トレですよ、ハッ!これはワンハンドショルダープレス。ははは!色々な使い方が出来る。これは三頭筋に効きます

意外にも手のフィット感がよいそうで、普段から趣味で筋トレをしている山本さんのお墨付きだ。

「ビーバーの木」を販売するきっかけになったのが「ライブ配信」だった。広報の春岡さんがほぼ毎日やっているインスタグラムでのライブ配信で販売しようかと発言すると「買いたい」というコメントが続出。

ビーバーの木の使い道は

長崎バイオパーク 広報 春岡俊彦さん:使いどころですよね、気になるのは。我々も気になっている

画像提供:「ビーバーの木」購入者
画像提供:「ビーバーの木」購入者

実際に購入した人はマッサージの棒や部屋のインテリアとして楽しんでいるという。

インスタグラム コメント欄より
インスタグラム コメント欄より

インスタグラムをのぞいてみると、ビーバーが削った木を「表札にしたい」「キーホルダータイプなら絶対買う」などというコメントも寄せられている。

グッズ販売を検討中(左上:鉛筆 右下:着火剤)
グッズ販売を検討中(左上:鉛筆 右下:着火剤)

すでに、ビーバーが歯づくりした枝を「鉛筆」にしたものや、木をかじった後の木くずは「着火剤」にするなど、試作品も完成している。広報の春岡さんは今後、さらにSNSでアイデアが出てくれば色々なグッズ展開も検討したいとしている。

創作活動をぜひ間近で

長崎バイオパークで飼育されているビーバーは現在5頭で、創作活動はあくまでビーバーの気分次第。

SNSでは歯づくり作品の「ネット販売」を望む声も多いが、長崎バイオパークでは販売数には限りがあることからネット販売は現段階では実施しないとしていて、気になる人はぜひ、園に足を運んでビーバーの作品づくりを間近で見てほしいと考えている。

ビーバーたちが一つ一つ「歯作り」した木はファンを楽しませるだけではなく、今後も様々な可能性を秘めている。

(テレビ長崎)