全国の特別支援学校に通う幼稚園生から高校生のうち、たんの吸引など医療的ケアが必要な児童生徒が8565人にのぼり、前年度から約200人増えたことがわかった。
文部科学省の学校における医療的ケアに関する調査によると、2023年5月時点で特別支援学校に通う医療的ケアが必要な児童生徒は8565人にのぼり、前年度の調査から約200人増えたことがわかった。
また、幼稚園・小中高校の通常学級や特別支援学級に通う医療的ケアが必要な児童生徒も2199人で、前年度の調査から増えた。
これらの学校で行われている医療的ケアでは、たんの吸引や経管栄養、インスリン注射などが多かった。
一方、医療的ケアに関するガイドラインを策定している教育委員会は2割にとどまっていて、文部科学省は「前回調査よりは改善したものの、医療的ケア児がいない自治体では策定しないところもある。医療的ケア児がいつ来ても支援できるよう、ガイドラインの策定を進めてもらいたい」としている。
また、文部科学省が全国の公立特別支援学校に行った調査によると、2023年10月時点で全国で3359の教室が不足していることがわかった。
前回の調査より不足数は減ったものの、引き続き教室不足が続いている実態が明らかになった。
特別支援学校に通う児童生徒数は増加を続けていて、2023年度は14万7000人を超えて過去最多となっている。
文部科学省は「児童生徒数の増加が予想を上回り教室整備が追いつかない。2025年度以降、各都道府県に整備状況をヒアリングし、どのような支援が必要か検討していきたい」としている。