3月21日から行われる世界フィギュアスケート選手権。
日本からは宇野昌磨、鍵山優真、三浦佳生の3選手が出場。
いまや世界最強時代に突入した日本だが今年はそうはいかない。
長いフィギュアスケート界の歴史で、合計得点が300点を超えたのはたった6人しかいない。
五輪2連覇の羽生結弦さん、北京五輪金メダリストのネイサン・チェン、宇野昌磨、鍵山優真、イリア・マリニン、そしてフランスのアダム・シャオ イム ファだ。
今大会にはその6人のうち、4人が出場する、まさに歴代最高決戦。
300点超えカルテットの一角、アダム・シャオ イム ファを現地で取材した。
今年は最高の状態
現地時間19日の公式練習に登場したフランスのアダム・シャオ イム ファは、ショートの曲かけを行い、4回転ルッツを完璧に決める。

持ち味である側宙でも会場を沸かせた。
さらにアダム・シャオ イム ファは、4回転ルッツからのコンビネーションジャンプに挑んでいた。
この日は惜しくも成功とはならなかったが、世界選手権で決まれば自身初だ。

練習後、アダム・シャオ イム ファはインタビューに応じてくれた。
「(公式練習は)よかったです、とてもリラックスできました。リンクが小さいので慣れるのに時間がかかりました。
4回転トゥループだけうまくいかなくて時間がかかりましたが、それ以外は問題ありません」

そしてコンディションについても、「3回目の世界選手権になりますが、去年はちょっとケガをしていたのでコンディションがあまりよくなかった。今年は最高の状態です」と、自信満々に話してくれた。
今シーズンのダークホース!
そんなアダム・シャオ イム ファは、昨季の世界選手権で総合10位だった。

しかし、今季のグランプリシリーズで才能を開花させる。
第2戦フランス大会では、世界で限られた人しか成功させていない4回転ルッツを構成に組み込みショート2位スタート。
フリーでも4回転3種を4本完璧に決めてみせ、アメリカのイリア・マリニンを抑えトータル306.78点をマークし優勝した。
ジャンプもさることながら、氷上で軽々と後方宙返りをするほどの驚異の身体能力を持つ人物だ。

第4戦中国大会でも298.38点と300点に近い点数をマークし、宇野昌磨を上回り優勝。
グランプリファイナルこそ、持ち味を発揮できなかったが、アダム・シャオ イム ファも間違いなく日本の天敵だ。
友野一希「今年の伸び率は想定外」
今シーズンのアダム・シャオ イム ファの快進撃に、驚いていた一人が友野一希だ。
去年の全日本選手権前,友野にインタビューした際、彼の名前も出ていた。
友野とアダム・シャオ イム ファは、去年の世界選手権で共に戦っている。
「ずっとポテンシャルはありましたし、すごくいい練習をしてたのを見ていた。あとは本番強さとかなのかなと思っていた。
ジャンプのブレや、気持ちのブレがカチっと固まって、今はただひたすらに自分に集中して、できているなと思う。スピードは早い」

「ただ、今年のこの伸び率は、本当に予想外ですよね。スケーティングも上手だし、体の使い方も上手くて、あとは気迫、オーラ、そういったものが備わればという選手でした。滑りも夏に見た時より全然別人になっていて、驚きましたね」
年が明けて欧州選手権に出場したアダム・シャオ イム ファは、2連覇を成し遂げ、フランス男子として60年ぶりの快挙を達成する。
さらに2月11日、毎年行われる国際スケート連盟(ISU)の年度表彰があり、その発表と表彰式が催され、エンターテインメント賞を獲得した。

今勢いのあるアダム・シャオ イム ファは、世界選手権に向けて「僕の目的は順位というよりもプログラムを完璧にこなす、ちゃんとこなすことが大事。
結果はほかのスケーターの結果もありますし、ジャッジの判断もあるので、それについてはあまり気にしていません。
2つのプログラムを完璧にこなして楽しむことを目標にしています」と意気込んだ。
アダム・シャオ イム ファを含む300点超えカルテットの激戦に注目だ。
世界フィギュアスケート選手権2024
3月22日(金)男女ショートよる7時~
3月24日(日)男女フリーよる7時~
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/world/index.html