自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件に関する参議院の政治倫理審査会が14日開かれ、安倍派幹部の世耕前参院幹事長は、キックバック廃止を指示した安倍元首相の死去後の2022年8月の幹部協議について、自身は廃止堅持を主張したものの、継続論も出る中で、議員個人のパーティー収入に振り替える案が議論され、自身も合法的な処理であれば賛同する意向を示したことを明らかにした。
世耕氏は8月の幹部協議について「ノルマをオーバーしてしまっている人が結構出てきているのでどうしようかという意見交換の場だった。各人若干記憶が曖昧だったり食い違うところがあるのではないかと思う」と述べた。
その上で「私はその話し合いの場では、安倍さんがもうノルマ通りの販売だ、現金による還付はやめるということをおっしゃっていたので、私はそれを守るべきだという意見を冒頭に申し上げた。しかし、一方で4月にノルマ通りという指示が出ているから、売ってしまった人もいる。そういう人はやっぱり政治活動の資金としてあてにしている面もあるので、何らかの形で返すべきではないかという意見も出た」と説明した。
世耕氏はさらに「安倍さんの方針は堅持をしよう、その代わりに何らかの資金の手当てをする方法があるだろうかという議論になった中で、私の記憶では有力なアイデアとして各政治家個人が開くパーティーのパーティー券を何らかの形で清和会(安倍派)が買うのか、例えば買ってくれた企業団体にお願いして返金をして各議員のパーティーに振り替えてもらうのか、具体的にはその時議論していないが、しっかり収支報告にも出る形で返そうというアイディアが出て、私はそれだったら反対をしないという意見を述べた」と語り、この案に賛同したことを明らかにした。
ただ、この協議では「何か確定的なことは決まっていない」とし、どのようにキックバック復活が決まったかについては、わからないと答えた。
また、塩谷元文科相が、この協議でキックバックの継続の方向となったと取れる発言をしたことについては、事実と違うとの認識を示し、「おそらく何らかの資金手当てをしなければいけないということに発言されているんではないか」と説明した。