世界的に流行している“はしか”。日本国内でも感染者が確認され、広がりが懸念されています。WHОによると、世界での感染報告数は、2022年は約17万人でしたが、2023年はその1.8倍に。

はしか感染者数が‘22年から‘23年で1.8倍に
はしか感染者数が‘22年から‘23年で1.8倍に
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街の人からも不安の声があがっています。

ワクチン接種を受けていない人(20代):
どう防げばいいのか、ちょっとわからないですね。怖いですね。

ワクチン接種を受けた人(70代):
年をとっても、かかるんでしょうかね、はしかって。

世界でのはしかの感染者数が増加するなか、日本では2月24日、UAE・アラブ首長国連邦から関西国際空港に到着した便の乗客に関連した感染者8人が確認されました。

さらに3月12日、東京都は渡航歴のある5歳未満の男の子の感染が確認されたことを発表しました。

武見敬三厚労相:
海外との渡航の再活発化に伴い、国内での流行にも特に注意が必要な状況だ。

感染力が極めて強く、空気感染する「はしか」

はしかは、2回ワクチンを接種することで防ぐことができるとされ、日本では現在、ワクチンの定期接種が制度化されていますが、再活発化に対しての注意は必要です。

「はしか」の強い感染力について、めざまし8スタジオでは、KARADA内科クリニック五反田院長で、感染症学会の専門医でもある佐藤昭裕院長に解説していただきました。

KARADA内科クリニック五反田院長で感染症学会の専門医・佐藤昭裕院長
KARADA内科クリニック五反田院長で感染症学会の専門医・佐藤昭裕院長

堀池亮介アナウンサー:
日本では根絶されている「はしか」ですが、今年に入ってすでに12人の感染者が確認されています。

堀池亮介アナウンサー:
2月24日にUAEアラブ首長国連邦から、関西国際空港着の国際便の関連で、まずは、8人の感染が分かっています。東京で1人、愛知2人、岐阜1人、大阪2人、性別年齢わかっていない方2人の8人です。その他にも東京で2人、奈良2人の4人合わせて、12人ということになります。

MC 谷原章介:
国内感染者が今、現時点で12人出ているということですけども、これって多いんでしょうか? 少ないと言えるんでしょうか?

KARADA内科クリニック五反田 佐藤昭裕院長:
まだまだこれ増えてしまう可能性というのは十分あるんですね。はしかは感染力が強いので、この後、二次感染、三次感染がどこまで出てしまうかというところだと思います。

はしかの感染力とは?

堀池亮介アナウンサー:
はしか最大の特徴というのは、非常に強い感染力です。感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染、人から人へと移ります。感染力はなんと、インフルエンザのおよそ10倍もあるということです。

堀池亮介アナウンサー:
空気感染でも感染する可能性があるので、手洗いマスクのみでは、予防できないというところ。非常に難しいかと思います。
例えば、エレベーターで感染した人と乗り合わせた場合、1分で感染してしまいます。
さらに病院の待合室で1人感染者が出た場合、その場にいた全員が検査の対象になってしまう。それぐらい非常に強い感染力だということですよね。

MC 谷原章介:
発熱をしてどれぐらいから、人に感染するんですか?

佐藤昭裕院長:
症状が出る前日からですね。なので、なかなかそこが難しい。

大人になって感染すると大変?

佐藤昭裕院長:
大人になってから感染すると、やはり症状っていうのは強く出がちで、重症化することが多いと言われてます。元々、はしかって、子どもの病気っていうイメージもあったと思うんですが、今、大人の病気に変わってきています。

堀池亮介アナウンサー:
はしかに大人がかかると、どう大変になるかといいますと、肺炎や脳炎などの合併症を引き起こす上、重症化しやすい可能性があるんです。さらに感染者は、解熱後3日経過するまで自宅待機。さらに接触者は、接触したと認定されると、保健所から2、3週間の外出自粛を要請される場合もあります。

MC 谷原章介:
金子さんは、ご家族、もしくはご自身がはしかにかかったことは?

金子恵美氏:
私自身は記憶してなかったんですけど、母に確認したらかかっていたので、抗体があって大丈夫ってことでしょうか?
でも、妊娠した時に「妊娠中の妊婦は重症化しやすいから、家族や周りがうつさないようにワクチンを打ってください」って呼びかけられたのは、すごく記憶してますね。

「ワクチン空白時代」とはどの世代?

佐藤昭裕院長:
さらに大人の世代ではですね、ワクチンを打っていない空白の世代っていうのがやはりあるんですね。その世代に関しては感染について、特に注意が必要だと思います。

堀池亮介アナウンサー:
感染力の強いはしかの予防法は、「ワクチンの2回接種」です。2回の接種で、生涯免疫を獲得することができるといいます。
ただ、ワクチンの接種状況世代によって、違いがあるんですね。細かく見ていくと、1972年9月30日以前に生まれた方は、定期接種がない世代でした。つまり51歳以上の方ですが、ここがワクチン空白世代と言われています。

MC 谷原章介:
僕は1972年7月生まれなんで、なしなんですけども、先生、生まれてから、定期ワクチン打つまでって、どれぐらいからですか?

佐藤昭裕院長:
今は1歳から2歳の間と、小学校1年生になる1年前までに打つっていう感じです。

MC 谷原章介:
僕は多分、風間さん、中村さんと同じく空白世代寄りなんですけど、どうでしょう?

中村逸郎氏:
空白世代この2人、もう空白兄弟ですよ。覚えてないですよね。

風間晋解説委員:
いやワクチンは空白だけど、でも、僕らはきっとかかってるんですよ。

堀池亮介アナウンサー:
他の世代見ていきたいと思いますけど、1990年4月1日までに生まれた51歳から34歳の方は定期接種が1回あった世代になります。
さらに2000年4月1日までに生まれた34歳から24歳。小室さん、そして、私もここにあたるんですけど、定期接種。基本的に一回で2回接種の人も、いるということになります。

MC 谷原章介:
完全に防げるってこと。小室さんは1回? 2回?

小室瑛莉子アナウンサー:
私は世代的には1回になるんですけれども、全く覚えていなくて、今朝母に母子手帳確認してもらったら、1回目の前にもうかかっていたという話を聞きました。母は大人になってからはしかにかかってしまって…、ただ、母は1回ワクチンを受けていたのですが、受けていてもかかるってことがあるんですね?

佐藤昭裕院長:
そうですね。やはり1回のワクチン接種だと、95%ぐらいの方が予防できるんですけど、5%の方はどうしても1回だけじゃ足りなくて、2回打たないとダメということもあるということですね。

MC 谷原章介:
1回でも受けてると、軽くは済むんですか?

佐藤昭裕院長:
1回だと、ちょっとやはり感染して、普通に症状が出てしまうことは、十分あります。
(「めざまし8」3月13日放送より)