食料品やサービスなど様々な分野で値上げの動きが広がる中、多くのお遍路さんが巡拝する四国遍路でも4月から納経の料金が30年ぶりに変更される。

30年ぶりの納経料値上げで波紋

納経は、札所でご本尊と弘法大師にお経を奉納し、縁を結んだ「しるし」にいただく、お遍路には欠かせないもの。

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札所で作る「四国八十八カ所霊場会」は、2023年9月の総会で4月から納経料を値上げすることを決めた。

納経帳への納経は300円から200円値上げして500円となる。
納経料の値上げは30年ぶりで、合わせて納経時間もこれまでの午前7時から午後5時までを変更し、午前8時からに1時間遅らせる。

お遍路さんは「300円が500円は参拝者には負担になってくるのでは」、「できたら100円くらいの上げ幅でやってもらえれば。そんなこと言っていたらご利益がないので500円でもいいかなと思う」、「いいのではないか。(四国遍路が)今後ずっと続いてくれるようであれば値上げはいいと思う」など、様々な意見があった。

四国遍路を守っていくため

値上げの理由については、コロナ禍で参拝者が大幅に減ったことや電気代などの光熱費の上昇をあげているが、霊場会の讃岐部会長を務める72番札所、曼荼羅寺の高吉清文住職は、四国遍路を守っていくためには必要な変更と、参拝者への理解を求める。(※高吉住職の「高」ははしご高)

曼荼羅寺・高吉清文住職:
1番の収入源が納経料。それは参拝者の数によるので、参拝者が減ればそれだけ経営に響いてくる。長年続いてきた霊場なので、未来も維持していくためには皆さんの協力が必要ということになる。

逆うち年、遍路の変革期

30年ぶりの納経料の値上げ。高吉住職は、参拝者のすそ野を広げるために札所も変わっていく必要があると考えている。

曼荼羅寺・高吉清文住職:
これからデジタルの世の中なので、キャッシュレス化や外国人への対応など、霊場も開かれていかなければならないと思う。

2024年は、御利益が3倍になるといわれる「逆うち」の年。四国遍路は、大きな変化の時を迎えようとしている。

(岡山放送)

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