高校入試をめぐっては、2度の受験機会を設ける「前期・後期選抜」が、複数の公立高校で2025年の入試から先行導入される。どのような試験が行われるのか、山形県の担当者に聞いた。

「前期選抜」導入で変化は?

県教育委員会は、現在の中学1年生が対象となる2年後の入試から「推薦入試」を廃止して、普通科を含むすべての学校で「前期選抜」と「後期選抜」の2度の受験機会を導入することを決めた。

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県高校教育課・黒木晃課長補佐:
これまで普通科では3月7日の入試の“一発勝負”という状況だった。受験生の心理的なプレッシャー・負担を考えて受験機会を複数化すると。つまり普通科の生徒にも2回の受験のチャンスがあるという制度

新たな入試が始まる2026年からは、まず1月~2月にかけて、各学校が独自の試験を課す「前期選抜」が行われる。前期選抜の試験内容は、個人面接・集団面接・作文・発表・その他(学校が課す学力検査など)の5つの中から、学校ごとに1~3つを選んで実施する。

――「発表」とは?

県高校教育課・黒木晃課長補佐:
たとえば、総合的な学習など探究的な学びに中学生が取り組んでいる。取り組んだ内容を発表・プレゼンしてもらうことも考えられる

そして「後期選抜」は、従来の一般入試と内容や日程は変わらず、3月7日に行われる。「前期選抜」の募集人数は、学科ごとに最大で「定員の半数以内」。今回、県が入試制度を見直した背景には、全国的な傾向がある。

県高校教育課・黒木晃課長補佐:
2024年の入試では、全国でいわゆる“1回勝負”という形の都道府県は6県だけ。これからの時代は先行き不透明で、これまでのような知識偏重の学力は世の中で通じなくなる。主体的に学ぶ意欲・態度も含めた学力だと思うので、広い意味での学力をはかれる点で、前期特色選抜は理にかなった試験

受験を終えた中学3年生の反応は…

受験生にとっては、チャンスが2倍になる「前期選抜」の導入。3月7日に受験を終えたばかりの中学3年生に話を聞いた。

中学3年生:
すごくうらやましい。私も前期選抜をやりたかった

中学3年生:
チャンスが増えたことで、高校受験にどのような影響があるか、けっこう大きく変わると思う

中学3年生:
私立の入試と似た感じになると思う。チャンスが増えるのはいい

そして、普通科で定員割れが続いている新庄北・南陽など5校については、ひと足早く2025年の入試から先行導入が検討されている。

県高校教育課・黒木晃課長補佐:
先行実施校については、前期選抜の実施時期を2025年2月3日と決定している。試験内容は、個人面接・集団面接・作文の中から各高校が選択する

時代に合わせて、県内でも高校入試のカタチが大きく変わることになる。

(さくらんぼテレビ)

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