世界フィギュアスケート選手権がカナダ・モントリオールで開催されている。
その世界選手権で日本勢は昨季、男子と女子、ペアの3カテゴリで世界一となった。
男子からは3連覇を狙う宇野昌磨、今季四大陸選手権で初優勝した鍵山優真、成長著しい昨季四大陸と世界ジュニア2冠に輝いた三浦佳生が出場する。

そんな日本勢のライバルになってくるのが、去年の世界選手権で銀メダルに輝いたチャ・ジュンファンだ。
世界な人気と実力を誇る22歳は、この世界選手権でどんな戦いを見せるのか。
日本勢との対決で、カギを握る存在を取材した。
ビジュアルと実力を兼ね備えたスケーター
アイドルのようなきれいで端正な顔立ちに、高身長という魅力も持つ、チャ・ジュンファン。
過去に子役やモデルとして活動していたという。
16歳の時、母国開催の2018年平昌五輪に出場。
当時から“踊り心”やスター性は際立っており、かつて羽生結弦さんも所属したカナダのクリケットクラブのオーサーコーチのもとでスキルを磨いた。

そのチャ・ジュンファンは2022年の四大陸選手権で優勝。
同じ年の北京五輪では5位という好成績を残した。

さらに、昨季さいたまスーパーアリーナで行われた世界選手権では銀メダルを獲得。
韓国男子として初めて世界選手権の表彰台に立った。

そんなチャ・ジュンファンは今季、心機一転し、チ・ヒョンジュンコーチに変更した。
GPシリーズに出場し、1戦目のGPカナダでは9位と振るわず、2戦目のフィンランド大会では右足首の負傷で思うようなシーズンを送れずにいた。

しかし、韓国選手権で驚異の8連覇を達成。
さらに中国で行われた2月上旬の四大陸選手権では3位表彰台にのぼった。
きっかけは夏休みのキャンプ
復調の兆しを見せるチャ・ジュンファンに2月中旬、今シーズンを振り返ってもらいつつ、世界選手権への意気込みを聞いた。
――スケートを始めたきっかけは?
僕は子どもの頃、子役をやっていました。
学校の夏休みのキャンプでスケートに接して役作りに役立つと思って始めました。それがいつの間にかここまで来ちゃいましたね。

――子役の経験がスケートの役に立っている?
ものすごくとは言えないですが、ある程度は役に立っていると思います。
やはりスケートはスポーツだけど音楽で演技をするという観点から、ある程度役に立っていると思います。

――いま、意識的に練習しているものはありますか。
まず前シーズンに比べて違う姿をお見せしたかったです。特にショートプログラムの場合、ステップシークエンスを最後に配置してよりエネルギッシュにしたかったです。
今シーズンのプログラムにもっと集中して、テクニックや音楽と一緒にするプログラムについていろいろなことをより考えるようになりました。

――振付で特に気をつけていることはありますか。
ショートプログラムの場合、振付を決める前に音楽を聴きながらそれぞれ想像しているストーリーについてたくさん話をしました。
それをもとにだんだんと自分がショートプログラムで表現したいことを積み上げていきます。
ショートの楽曲『仮面舞踏会』でうれしい感情や悲しい感情など、作り出すストーリーを少しずつのせていこうとしました。
フリーは映画『バットマン』。集中してよりエネルギッシュにパワフルにしようとしました。
僕にできるすべてを見せたい
――今シーズン、ここまではどうでしたか。
正直に言うと今シーズンは負傷のせいで残念なところがたくさんありました。しかし今自分にできることのベストを尽くしたと思います。
また今シーズンは最後の世界選手権が残っていますが、それまで引き続き一生懸命に練習して自分のできる限りのベストを尽くしたいです。
今回の世界選手権で僕にできる全てをもう一度お見せするのが最優先の目標です。
負傷の状態でシーズンを順調には進められなかったので、完璧に回復した姿でただベストを尽くしたい。1年ぶりの世界選手権なので楽しむ気持ちで楽しく試合に臨みたいです。

――世界選手権の目標は?
前の四大陸選手権で足りなかったところを補完し、世界選手権に備えるのが第一の目標です。
その次は、特に目標というより今シーズン最後の試合なだけにベストを尽くしたらいい結果があると思います。
四大陸選手権の準備期間の間、だんだんと負傷から回復をしているところでした。回復の時間や十分な練習時間がなかったと思います。
技術的な面やプログラムのビッグジャンプの要素が足りなかったと思うので、そういうところをカバーしながら、シーズン最初の構成をコツコツ練習して世界選手権でできたらと思います。
世界フィギュアスケート選手権2024
3月22日(金)男女ショートよる7時~
3月24日(日)男女フリーよる7時~
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/world/index.html