住まいを選ぶ際、エアコン室外機の場所を確認しているだろうか?
三菱電機 霧ヶ峰PR事務局が昨年12月、東京・大阪在住の男女600人を対象に実施した「エアコンの室外機に関する調査」で、現在の住まいを購入または借りる際に、自宅の室外機の設置場所を確認、検討しなかった人が59.8%と半数以上にのぼった。
また、近隣の住宅の「室外機の設置場所」を確認しなかった人は83.0%となり、多くの人が「室外機の設置場所」を気にしていないことが分かる結果となった。
一方、隣家や近隣の住宅の室外機が気になった経験がある人は14.2%となり、具体的には「窓を開けると隣家の室外機から吹き出てくる風が気になった」「夏場、庭先の植物に熱風があたる」「深夜、室外機の稼働音がうるさくてなかなか寝付けなかった」などの意見があった。
「室外機の設置場所」への関心は低いものの、8人に1人以上は隣家や近隣の住宅の室外機に悩まされたことがあるという実態が明らかになったのだ。
この調査結果を踏まえ、三菱電機は「室外機を設置する際のポイント」を5つ示している。
室外機を設置する際のポイントは?
【室外機設置時、近隣環境への配慮ポイント5つ】
(1)隣家の窓や玄関に近い場所での設置はなるべく避ける
(2)吹き出し口を、隣家や玄関の方に向けないようにする
(3)室外機のファンに、ホコリやごみ等があたることにより起こる異音を防ぐために、ホコリが溜まりづらく風通しの良い場所を選ぶ
(4)室外機の周りには、風を遮るものを置かない
(5)近隣住民が通る場所(マンションの場合は隣室のベランダ)に、ドレン水(室内機で空気を冷やす際に出た排水のことで、ドレンホースで外へ排出する必要がある水のこと)が流れないようにする
※冬場はドレン水が凍結する恐れもあるので気を付けましょう!
また、「賃貸のため室外機の設置場所を自分で選択できない」など、やむを得ない場合は「別売部品」を使用するのがおすすめだという。
やむを得ず、隣家や道路に向けて室外機を設置する場合は、室外機から出る風の向きを変更できる「吹出ガイド(風向ガイド)」を取り付けることで対策できる。
さらに、「1年を通して室外機を安定して稼働させるためのポイント」を3つ示している。
室外機を安定して稼働させるためのポイント
【室外機を安定稼働させるための、「設置場所」&「使用時」の3つのポイント】
(1)家の「東側」か「南側」がおすすめ
家の「北側」や「西側」は季節風の影響を受けやすく、降雪時は雪が室外機に吹き込んでしまう可能性がある。また、「霜取り」中に室外機に強風が当たると「霜取り」の時間が長くなることがある。
※「霜取り」とは…室外機の熱交換器に霜が付着すると、熱交換が十分に行われず暖房能力を発揮しにくくなるため、エアコンにはその霜を溶かすために、自動で「霜取り」を行う機能がある。
「霜取り」時には、霜を溶かすためにあたたかい冷媒を室外機側にまわすため、室内機から冷たい風が吹かないよう暖房運転を短時間停止する。
(2)風通しが良い場所に設置し、室外機の吹き出し口付近にモノを置かない
風通しが悪くホコリがたまりやすい場所だと、室外機にホコリが付着し、エアコンの運転効率が低下する場合がある。また、吹き出し口付近にモノがあるとそれらが障害となり、エアコンの運転効率が下がる。
(3)直射日光が当たらない場所に設置
夏場、直射日光によって室外機の温度が上がると、エアコン冷房の稼働効率が低下する場合がある。直射日光が当たる場所に室外機を設置する場合は、エアコン冷房を安定して稼働させるために「日除け」を取り付けることをおすすめ。
この調査で、エアコン室外機の設置場所の確認が大事であると感じたが、住まい選びで内覧や内見をする際、隣家の室外機の設置場所について、どのようなことを確認すればよいのか?
三菱電機の担当者に聞いた。
「自宅の玄関や窓までの距離や方向を確認」
――エアコンの室外機に注目して調査を行った理由は?
室外機を理由とした隣人トラブルに関してのお声をお客様よりいただいたことがきっかけとなり、室外機に関してのお役立ち情報を発信しようと考えました。
エアコン設置時は室内機に意識がいきがちです。お部屋は快適でも室外機で誰かに不快な思いをさせてしまうことはメーカーとしても望ましくありません。
また、エアコンの性能を十分に発揮させるために室外機の設置場所や使用環境は重要ですが、お客様ご自身で設置後に移設させることは難しく、費用もかかるため、春からの新生活を前に室外機にも注目していただきたく、今回の調査を行いました。
――室外機の別売部品と室外機用の「日除け」はどこで購入できる?
お近くの三菱電機ストアや量販店でお買い求めいただけます。業者による設置工事が必要なため、工事の手配もあわせてお願いいたします。
――内覧や内見の際、隣家の室外機の設置場所について、どのようなことを確認すればよい?
内覧・内見の際、ご迷惑にならない可能な範囲で、隣家や近隣のお宅の室外機の実際の設置場所を確認し、自宅の玄関や窓までの距離や方向、実際に稼働している場合は音も確認しましょう。
また、同行されるハウスメーカーや不動産業者の方に過去に室外機関連のトラブルがなかったか、ヒアリングしてみるのもよいでしょう。
これからの時期、引越しシーズンを迎える。エアコン室外機に関連した隣人トラブルを避けるため、住まい選びの際には、隣家の室外機の設置場所を確認し、自宅の玄関や窓までの距離や方向を確認してみてほしい。