冬の富山県、車庫の前に掛けられた青いカーテン。一見不思議に見えるこの光景には、地域ならではの理由があった。
立山町芦峅寺で広がるブルーシート

立山町芦峅寺地区。この地区では約3分の1の住宅で、車庫にブルーシートがカーテンのように掛けられている。立山黒部アルペンルートに通じる県道沿いに点在するこの光景の謎を調査した。

「雪が降ったら融雪装置が作動し車の走行によって水がはねる。車庫の車に張り付いて凍るのでそれを予防するため」と地元住民は説明する。

シャッターを閉めてさらにカーテンもする理由と尋ねると、「凍ってシャッターが開かなくなる」と住民は答えてくれた。
融雪装置がもたらす別の問題
芦峅地区の住民がブルーシートをかける理由はそれだけではなかった。

「アスファルトに塩化カリウム撒くでしょ。それがかかると車が真っ白になる。ブルーシートを掛けないとシャッターが錆びて凍ってしまう」
県内有数の豪雪地帯ならではの対応だと思われたが、取材班は海沿いの地域でも同じような家があることを発見。射水市海老江や富山市四方でも、家の外壁をシートで囲った家があった。
地下水の鉄分が原因の地域も

「この地区の地下水は鉄分を含んでいる。車が通ると外壁に水がかかる」

富山市四方の住民によると、地下水の鉄分が問題だという。富山市の調査では、この地区の地下水は鉄分の濃度が高いのが特徴で、ひと冬で道路や外壁が一気に錆びたような赤茶色になるという。

「県に鉄分がいやだから何とかしてくれと言ったけど、融雪をやめるしかない。やめた場合は、除雪をしなければならない。だから仕方ない。防御のために」と住民は語る。
住民の工夫と私たちにできること

射水市海老江のある家では、白壁がひと冬で真っ茶色に汚れるため、そのたびに塗り替えをしていたそうだ。しかし最近では、ブルーシートで覆う方法を選んでいる。

富山の冬に欠かせない融雪装置。その恩恵を受ける一方で、住民は様々な工夫で対応している。
私たち通行人にできることは、融雪装置の水がなるべくはねないよう、スピードやマナーを守ること。この地域ならではの光景に隠された事情を知ることで、住民への思いやりにつながるのではないだろうか。
雪国ならではの知恵と工夫が詰まった冬の富山の風景。身近な疑問の答えを知ることで、地域への理解も深まる。
(富山テレビ放送)
