北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母・早紀江さんを囲む祈りの会が2月15日に東京で開かれた。娘の声を聞くことも叶わないまま、早紀江さんは2月4日に88歳になった。

「なぜ救出できない…」早紀江さんは88歳に

拉致被害者の救出を求めて、月に1回開催している「祈りの会」は15日で229回目を数えた。

祈りの会
祈りの会
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2月4日に88歳の誕生日を迎えた横田めぐみさんの母・早紀江さんは「なぜ救出できないのか分からない」と苦しい胸の内を語った。

「めぐみちゃんはこんなに近い所にいるのに本当に分からない。相変わらず姿も見たことがないし、声一つ聞くことができないのも不思議。近いのに、色々な人が行ったり来たりしているのに、何でできないんだろうと」

横田早紀江さん
横田早紀江さん

娘の姿・声…思い出せるのは中学1年生だっためぐみさんのまま。46年もの間、何一つ見聞きできない苛立ち・切なさを訴える。

横田めぐみさん
横田めぐみさん

「どうして解決できないのかが分からない。日本政府に力がないのか、あちらの国がおかしいのか、その辺の中身が分からないのでモヤモヤしている。日本はどうしてこんな大事なことができないのだろうと不思議で。しっかりしていただきたい」

めぐみさんへ「頑張ったねと言ってあげたい」

祈りの会では2014年3月に横田めぐみさんの娘・キムウンギョンさん一家と対面したことを思い出し、当時を振り返る場面もあった。

「涙をぼろぼろ流しながら(キムウンギョンさんが)見送ってくれて日本に帰ってきた。どこまで生かされるか分からない。やっぱり本当に生きている間に、ひと目でもいいからめぐみちゃんに会って、握手でもいいからしたい。『頑張ったね』と言ってあげたい。それだけです。願いは」

知事会は政府へ“情報提供”求める

こうした中、47都道府県の知事が参加する「北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会」の会長代行を務める花角知事は、15日に首相官邸で拉致問題担当大臣を兼務する林官房長官と面会し、要望書を手渡した。

知事会が林官房長官に要望
知事会が林官房長官に要望

要望書には政府がどんな取り組みをしているのか、可能な限り情報提供することを求める項目が初めて盛り込まれた。

花角知事は「県民・国民の拉致問題に対する関心を維持していくためにも、水面下の交渉の問題は大変だと思うが、可能な限り情報提供してもらえないかと」と話した。

新潟県 花角知事
新潟県 花角知事

一方、要望を受けた林官房長官は「政府一丸となって取り組んでいく」と応じた。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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