京都大学が老朽化などを理由に日本最古の学生寮である「吉田寮」の明け渡しを求め、寮生を訴えた”異例の裁判”。 16日午後、京都地裁は判決で寮生の訴えを一部認め、「これ以降の募集を認めない」とした2017年12月以前に入寮した寮生の居住を引き続き認めるとした。
■築111年の日本最古の学生寮「吉田寮」
京都大学吉田キャンパスにある吉田寮は、築111年の日本最古の学生寮といわれ、現在もおよそ100人の学生が生活している。

しかし、京都大学は2019年、吉田寮の「現棟」は震度6強の地震で倒壊するおそれがあるなどとして、寮生に対し「現棟」などの明け渡しを求めて訴訟を起こした。
大学側は「代替宿舎」を用意してすべての寮生に退去を要求したものの、一部の学生が「不法占有」を続けていると指摘。

■寮生側は「学生の自治を奪おうとしている」と主張
一方で寮生側はこれまでの裁判で「適切な補強ができれば建物の使用は可能」とし「学生の自治を奪おうとしている」と主張してきた。
16日の判決で京都地裁は「大学側は代替宿舎を用意したと主張しているが、自治がある寮に入るのが在寮目的であるので、代替宿舎によってその目的が達成されるとは言えない」として「これ以降の募集を認めない」とした2017年12月以前に入寮した寮生の居住を引き続き認めるとした。
【関西テレビ「newsランナー」2月16日放送)