地震が起きたとき、それぞれが暮らす地域では何が危険でどこに逃げるべきなのか…。住民の率直な疑問に答えるため、富山市では自主的に防災教室を開いている自治会がある。防災でつながる地区の結びつきがあった。

過去の被災経験から始めた防災教室

2月4日、富山市稲荷元町で開かれた地域住民による防災教室。2023年から定期的に開かれていて、今回が4回目。備えていたお陰で、能登半島地震でも慌てずに済んだと言う。

防災教室を開く浪瀬佳子さん(左)
防災教室を開く浪瀬佳子さん(左)
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浪瀬佳子さん:
「防災教室をやったことで、それまで全く備蓄をしていなかった方が、少しは準備ができていたとか、心構えができている人もいらしたのではないかなと、少しは効果があったのかなと思っている」

教室では、参加した住民が富山市の防災マップなどを確認し、能登半島地震で生じた不安や疑問を防災士や専門家に質問していた。

中では、能登半島地震で津波警報が出され、各地で避難する車で交通渋滞が発生したことを踏まえ、海岸から約8キロ離れた稲荷元町の住民は「津波の情報が出た時に、どこまで避難すれば良いのか」など、心配の声があがっていた。

富山県立大学環境・社会基盤工学科 呉修一准教授
富山県立大学環境・社会基盤工学科 呉修一准教授

富山県立大環境・社会基盤工学科 呉修一准教授:
「今回、皆さん良く逃げたけど、過剰でもあった。現状の津波ハザードマップでは、この地区は大丈夫」

防災教室を開催する浪瀬佳子さんは、東日本大震災の発生当時、神奈川県で強い揺れを経験。富山県でも備えが必要だと感じ、教室を立ち上げた。今では、地域住民同士の結びつきにもつながっている。

住民:
「自治会長が全戸を回ってくれて『みなさん大丈夫ですか』と言ってくれたのが、ものすごく安心した」

いざというとき、助け合うために

県立大の呉修一準教授は、自治会レベルで普段から防災教室を開き、顔を会わせて疑問や不安を話し合うことが関係性を築くことにつながり、ひいては住民の安心や防災に役立つと言う。

富山県立大環境・社会基盤工学科 呉修一准教授:
「自助、共助に繋げるために地区レベルでやってくれるのはありがたい。顔見せとあいさつと『怖かったね』の会合だけでも良い。分からないことは防災士や県立大に問い合わせてくれれば相談に乗って協力していくので、まずは開催してほしい」

富山市稲荷元町では、防災情報を共有するLINEのグループを運営していて、地区住民の約100世帯のうち20人あまりが登録している。

いざというときに助け合うために。

普段から防災教室を開いて地域住民で関係性を築くことが大切だ。

(富山テレビ)

富山テレビ
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