札幌市豊平区の「札幌ドーム」は、企業から新たな名称を募るネーミングライツの公募を行っている。
どのように生まれ変わるのだろうか。
命名権公募で「札幌ドーム」の新しい名前に注目
「“セコマドーム”がいいですね」(札幌市民)
「“ホクレンドーム”はどうですか」(札幌市民)
札幌市民からは早くも新しい名前の候補も上がるなど、「札幌ドーム」のネーミングライツは注目されている。

秋元克広札幌市長は1月30日の会見で。
「広告収入をあげるひとつの手段として、ネーミングライツを募集したい。札幌市民の財産として使っていけるような、親しめる名前になってほしい」(札幌市 秋元 克広 市長)
収益改善めざし様々な取り組み
札幌市は「札幌ドーム」の運営に危機感を募らせている。

プロ野球球団「北海道日本ハムファイターズ」の北広島市への本拠地移転により収入の約3割を失い、約3億円の赤字を見込んでいる。
そのため、収益改善のため新たなイベントを積極的に開催している。

30ヘクタールという広い敷地を生かし、駐車場ではサウナイベントも行われた。

「こういうイベントがあるなら、北広島市の『エスコンフィールドHOKKAIDO』ではなく『札幌ドーム』でもいいと思う。ドームの中ではなく、外でこんな使い方できるとは」(イベントの参加者)

そして、起死回生の策として打ち出したのがネーミングライツだ。
希望価格は年間2億5000万円以上。
「ドーム」という言葉を使用することなどを条件に愛称を募り、新たな資金源にしようというのだ。
市民からさまざまなアイディア
札幌市民からは、こんな案が。
「地元コンビニエンスストアの『セコマドーム』。セコマの色に全部変わって、ホットシェフとコラボしたドームに行かなければ食べられないものがあるとすてき」(札幌市民)
「農業協同組合の『ホクレンドーム』はどうですか。酪農や農業関係が浸透して、いろいろな面でいいのでは」(札幌市民)
「北海道にちなんだ名前がいい。例えば『エゾ』とつくような」(札幌市民)
ネーミングライツ取得のメリットとは
ネーミングライツを取得した企業にとっては、どのような効果が望めるのだろうか?
「ドームの外壁に18m×1~1.5mのものを2面取り付けられる。目立つ場所でもあるし、地下鉄で来場する人も多いので」(札幌ドーム 渡辺勝彦営業部長)

今まで広告が設置されていなかった外壁や駐車場にも、施設名などを掲げられるメリットがある。

さらに館内でも。
「特別に通常販売していない枠を用意。エレベーターのガラス面を広告として使える。施設の名称をつけてもらうだけではなく、札幌ドームのイベントなどで相乗効果を生み出せれば」(札幌ドーム 渡辺 営業部長)

現在、応募があった企業と条件面での話し合いを進めているという。

「札幌ドーム」のネーミングライツに関してスタジアムの運営に詳しい専門家は。

「契約金額の相場でいうと、野球のスタジアムと同じくらいの価格。年間2億5000万円というのは、少し割高な印象。オールシーズン使えるという付加価値を、どう評価するか」(追手門学院大学 社会学部 上林 功 准教授)
「札幌ドーム」はこれからどうなる?
それでは、実際に「札幌ドーム」の新しい名称はどうなるのか。
最近は単純に企業名をつけるだけではないケースも見られるという。アメリカ西海岸シアトルの「クライメット・プレッジ・アリーナ」の場合は。

「アマゾンが命名権を取得したアリーナで、『クライメット・プレッジ』とは英語で『気候誓約』という意味。『気候変動に対してわれわれは対応していく』というメッセージを、あえてアリーナの名前にした」(追手門学院大学 上林 准教授)

「アマゾン」という企業名ではなく、企業理念をあえてつける方が効果が高いとの判断がみられる。
「札幌ドーム」は早ければ4月にも新しい施設名に。

どのように生まれ変わるのだろうか。