佐賀・鹿島市で300年以上続く伝統の「ふな市」。出店は年々減り続け、1店舗のみの出店となってしまったが、今年(2024年)も天然のフナを買い求める多くの客で賑わった。
水槽に“天然のフナ”約600匹
![「ふな市」佐賀・鹿島市浜町の酒蔵通り](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/a/0/700mw/img_a031b2216c65854fd390c64a25930f6d178214.jpg)
佐賀・鹿島市浜町の酒蔵通りで毎年1月19日に開かれる伝統行事「ふな市」。この日、雨の中、夜明け前から続々と人が集まってきた。
![水槽には「天然のフナ」が約600匹](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/1/4/700mw/img_1413a592f37dfbfcf60cf6679dc89d1a184161.jpg)
出店に設けられた水槽。そこには佐賀平野のクリークで獲れた「天然のフナ」が約600匹。客が活きのいいフナを次々と買い求め、毎年2時間ほどで売り切れる。このため冬の厳しい寒さにかかわらず夜明け前から客が訪れる。
訪れた客:
去年、遅く来たので売り切れていた。今年は早く来てよかった
郷土料理「ふなんこぐい」
![郷土料理「ふなんこぐい」無料サービスも](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/4/700mw/img_d4decba73afa9c1a9146d3bcbe714b7a168553.jpg)
この地域には、フナを昆布で巻き、味噌をこして作った汁で甘辛く煮る「ふなんこぐい」という郷土料理がある。「ふな市」では、フナの味を多くの人に知ってもらおうと、この「ふなんこぐい」が無料でふるまわれた。
![昆布で巻き丸ごと煮込んだ「ふなんこぐい」](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/3/700mw/img_d3fe75010108ddb312b7221f9577271a148218.jpg)
昆布のだしがしっかりときいていて美味。フナを丸ごと煮込んでいるため臭みや骨も全く気にならないのが「ふなんこぐい」の特徴。小ぶりなフナの方が味が良く人気だという。
![かつて多くの人でにぎわっていた「ふな市」](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/9/700mw/img_b977fcb424a12de5cbde0c94399228fe113231.jpg)
「ふなんこぐい」を二十日正月に供えてきたことから、毎年その前日の1月19日に「ふな市」が開かれている。また、江戸時代、高価な鯛の代わりに形が似たフナを供えたことが「ふな市」の始まりとも伝えられている。
かつて「ふな市」は多くの店でにぎわっていた。
年々減り続け”1店舗”だけに
![1店だけになった「ふな市」](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/f/700mw/img_ff9efdb6f11cad5c0a078cae758b0099194189.jpg)
しかし、フナを食べる人が減ったことから販売をやめる業者が相次ぎ、去年(2023年)から1店舗だけの出店となってしまった。
毎年訪れていた常連客は寂しさを感じているようだ。
![「ふな市」の常連客](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/1/700mw/img_31bc753500ae94ccafce379734444e20167204.jpg)
常連客:
30年くらいずっと通っています。フナを“あらい”で食べたりしています。もう今ここだけになってしまったので、ちょっと寂しい気もします
![30年通う常連客も](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/4/700mw/img_34e09fc555e4aeee97371cfb5637f04a153662.jpg)
長年通い続けている常連客は、多くの出店でにぎわっていた昔を懐かしみながら、1店だけになった伝統の「ふな市」を楽しんでいた。
(サガテレビ)