銅器の街富山県高岡市の銅器店で、銅像が盗まれる被害が相次いでいる。被害総額は1000万円以上。盗難の被害は震災後にも起きていて、その執拗な手口に組合では警戒を強めている。
店頭の銅像までもが…

高岡市の銅器店「竹中銅器」に設置された防犯カメラの映像。
2023年12月30日の深夜2時ごろ、銅像が並ぶ屋外のスペースで物色している不審な人物が映っていた。
人数や性別は確認できなかったが、盗難防止用のチェーンを切ろうして防犯ブザーがなり、その場から逃走した。
警備会社のスタッフが駆けつけると、チェーンが切断され銅像を移動した痕跡があった。
高岡市の銅器店では、2023年から銅像が狙われる盗難の被害が相次いでいる。
高岡銅器や仏具などを販売している折橋治吉商店でも2023年12月中旬、店の前に展示してあった銅像が被害にあった。

折橋治吉商店 折橋祐樹専務:
「盗難にあった銅像があった場所がここ。ここに2体のこま犬と、水子地蔵が12月15日に盗難にあった。」
盗まれたのは人目に付きやすい店の入口付近にあった銅像3体。
ほかの銅像は盗難防止用のチェーンが取り付けられていたため被害は免れたが、銅像以外に、店の裏にあった銅製の廃棄物までもが盗まれていた。
銅の製品を狙った執拗な犯行に店は今も不安を抱えている。
折橋治吉商店 折橋祐樹専務:
「(犯人と)鉢合わせすると例えば傷害にあったりとか、危険性もあるので怖い。」
被害総額は1000万円以上
盗難の被害は2024年に入ってからも確認されていて、能登半島地震で商品が倒壊するなどの被害のあった店舗でも銅像が盗まれていた。
高岡銅器協同組合によると、2023年11月から盗まれた銅像は4つの店舗あわせて6体。被害総額は1000万円を超えるという。

高岡銅器協同組合 宮津健志理事長:
「傷口に塩を塗るというか、ただでさえ大変な目にあっているのに短絡的な取っていけばいいというような犯罪に言葉では表現できないような怒りを感じている。」

銅製品の盗難被害は、銅価格の高騰を背景に全国で相次いでいて、組合は警戒を強めている。
警察は、富山でも相次ぐ銅製品の被害状況を調べ、窃盗の疑いで捜査を進めている。
(富山テレビ)