北海道函館市在住の若き画家・藤倉朱里さん、20歳。目標にしていた東京での個展に挑んだ。

初の東京個展に挑んだ藤倉さん

『見つめるこども』
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「絵はとにかく夢中になれるというか、人間関係とかあんまり得意な方ではない。そういうストレスとか発散するときに絵にぶつけたりとか、自分のなりたいものを描くとか理想像を描いたりとか、新しい絵はかっこいいしかわいいしみたいな。みてもらっているときに何この絵みたいな感じで新感覚な感情を抱いてほしい。中々描くのも難しく苦戦している」(藤倉朱里さん)

北海道今金町出身で、現在は函館市在住の画家、藤倉朱里(20)さん。

15歳で描いた作品が明石家さんまさんに高く評価され、注目された。

「自分の世界観を常に出せる、かっこいい画家さんになりたい」(2年前の藤倉朱里さん)

「函館あうん堂」で個展の打ち合わせをする藤倉さん
「函館あうん堂」で個展の打ち合わせをする藤倉さん

初めて本格的に個展を開いたのは18歳のとき。必要になる作品も増えた。

「この個展を目標に大体30点くらいできればいいなって感じ。死ぬ気で頑張ればなんとかなる」(藤倉さん)

日々の重圧に思わず涙も

会場の調整も1人でこなさないといけない。

「すいません、辛くて。精神的にちょっときているので、緊張もあってうまく喋れなくて申し訳ない気持ち」(藤倉さん)

個展をきっかけに、初めての製作依頼を受けた。

「彼女もキリンが好きだということで1枚絵を描いてもらうことにした」(中塚建設 中塚徹朗代表)

依頼で描いたキリンの作品をお披露目
依頼で描いたキリンの作品をお披露目

自分に描いてほしいという期待。それに応えたいという重圧。

ついにお披露目。絵の全貌が明らかになると、歓声が上がった。

「大丈夫かなってずっと不安だった。大丈夫だよって言ってくれて」(藤倉さん)

「無意識にずっと考えちゃっていて、これからのこととか」(藤倉さん)

だが、背中を押してくれる人が現れた。

TERUさんの個展に招かれた藤倉さん
TERUさんの個展に招かれた藤倉さん

「こんにちは」(藤倉さん)

「よろしく」(TERUさん)

函館市が生んだ大スターGLAYのボーカル・TERUさんだ。

自身も絵を描くTERUさん。自らが開いた個展に招待してくれた。

「やるっきゃねーと思った。頑張ろうと。本当に元気をもらった」(藤倉さん)

東京の個展に出した共同作
東京の個展に出した共同作

「これが11月に東京の個展に持っていく用の絵。一緒に描いている」(藤倉さん)

10代最後の目標にしたのが東京での個展。

GLAYのTERUさんからのエール 共同制作も

TERUさんはその個展で函館市を一緒に盛り上げていきたいと、藤倉さんと共同で作品を制作してくれることになった。

「いま必死にプロの中でどう生きていくのかと探りながら、がむしゃらにやっているとき。必死になっている感じすごく刺激を受ける」(TERUさん)

夢の東京個展…涙の先に見えたもの

支えを受けてもう一歩前に。選んだ舞台は、東京だ。

初めての東京での個展。作品は家族総出で運ぶ。

迎えた当日。

「いよいよだなって思う。緊張する」(藤倉さん)
 

「大人じゃみれない視点で描いているんじゃないかなと思う。ある意味大人っぽくなってほしくない」(訪れた人)

展示された54点のうち、半分以上の28点が売れた。

「(Q:購入したものは?)衝撃11というキリンの絵。SNSで前から見ていて。この絵見てみたいなと思って」(訪れた人)

個展を満喫した来客者とハイタッチをする藤倉さん
個展を満喫した来客者とハイタッチをする藤倉さん

「人が来るのかなとか不安な部分もあったけど、たくさんの人が来て想像以上だったのでめちゃくちゃびっくりしている。世界に羽ばたくという目標もあるので、でもその前に日本の人たちにもみてもらって、色々なところで個展ができたらと思っている」(藤倉さん)

画家の藤倉朱里さんが涙の先に見せてくれたのは、とびきりの笑顔だった。

北海道文化放送
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