日々の生活で起きる様々な困りごとを解決してくれる「便利屋」は近年、利用者が増加傾向にあるという。全国に40店舗を構え、年間1,400件の依頼を受ける「便利屋お助けマスター」のもとにはどんな依頼があるのか。

依頼の約2割が飲食店

とある金曜日に便利屋の2人が向かったのは、福岡市内の飲食店。週末は深夜3時まで店を開けているため、1週間の中でも最も忙しい日だ。

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仕込みなどの人手が足らない店の依頼は開店準備の手伝いで、作業はトイレ掃除から始まり、床掃除やテーブルのセッティングも行う。実は、便利屋への依頼の約2割が飲食店からだという。

便利屋お助けマスター・中川友紀也さん:
開店の時間もあるので、そこに支障が出ないようにスピード感は意識しています。

作業は1時間ほどで完了し、料金は11,000円。
依頼者の「〇喜門」・吉田寛オーナーは「今までアルバイトの子たちにオープニング作業をやってもらっていたのが、時代が変わってきたなというか。こういう便利屋を活用しながら店を盛り上げていくのは、一番いいんじゃないかなと思いました」と話した。

一般家庭の困りごとにも対応

続いて向かったのはチーズケーキの専門店だ。この店からの依頼かと思いきや、5分ほどで買い物袋を手に車へと戻り、とある住宅へ向かった。

なんと依頼は『チーズケーキを買って来てほしい』という内容だった。依頼した30代の女性は「焼きたてですね。おいしそうです」と満足げだ。

便利屋お助けマスター・前田佳美さん:
(こちらのお宅は)お仕事されていらっしゃっていて時間が取れないとのことなので、ケーキのお買い物代行依頼となっています。

依頼者:
子どもたちが好きで、でもちょっと(買いに行く)時間が足りなかったので、お願いをさせていただきました。

依頼はこれだけではない。3人の子どもがいる女性の家庭では仕事と育児、そして家事に追われる生活で後回しにしていた困りごとがあるという。

依頼者:
お風呂場の取っ手が壊れて取れてしまって…。この前まで接着剤で付けていたんですけれど…。(メーカーに)聞けばいいんですけど、ちょっとなかなか後回しに…。

浴室ドアの内側の取っ手が外れていた。なんとかドアは開けられるものの、ネジが出ていて危ないため新たに取り付けてほしいという依頼だ。

便利屋お助けマスター・中川友紀也さん:
僕らの方でメーカーに「部品があるかないか」のお問い合わせさせていただきます。

メーカーへの問い合わせを代行し、部品を取り寄せて後日取り付け作業をすることになった。この日の料金は5,500円だ。

依頼者:
共働きなので(時間が)なかなかないから、こういうのは助かるなと。

高齢者宅の困りごと解決「ありがたい」

続いての現場は、福岡市内の築48年のアパートだ。依頼者は一人暮らしの70代女性。困りごとは換気扇の掃除だという。表はそこまで汚れていないが、奥をのぞいてみると汚れで真っ黒。

こんなに汚れるまで掃除できなかったのには大きなワケがあった。分解できるはずのファンが外れないのだ。そのため、裏側がずっと掃除できないままだったという。

依頼者:
(掃除していて)自分が倒れるのが怖いし、年齢もあれやから「無理してけがしても嫌やしな」と思って。

家の中からではなく、脚立を使って外から作業を開始する。洗剤を十分に吹き付け、ブラシなどで汚れを落としていく。

依頼者:
息子が来たときに「ちょっと掃除してくれん?」って言っても、もう…本当せんよね!最近の子は!で、文句だけは言うんよね。「けっこう汚いね」とか文句だけは言う。

依頼者のちょっとした愚痴も聞きつつ…、作業開始から約2時間で終了した。料金は8,800円。長年たまっていた外側の汚れもキレイになり、依頼した女性も「外側までは掃除しないから本当ありがたいです」と満足な様子だ。

幅広く身近な困りごとを解決してくれる「便利屋」の需要は、今後も広がっていきそう。

(テレビ西日本)

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