熊本から恩返しの被災者支援が続いている。
能登半島地震で被災しながらも診療を続けている石川県七尾市の医療機関で、熊本市の慈恵病院の職員たちが炊き出しを行った。
熊本からの恩返し 医療従事者などへ炊き出し
元日の震災で震度6強を観測した石川・七尾市にある恵寿総合病院だ。1月12日は熊本市の慈恵病院の職員10人が駆け付け、断水が続く被災地の医療従事者と住民を支援しようと炊き出しを行った。午前11時に炊き出しが始まると、あっという間に行列ができていた。

七尾市の子ども:
めっちゃうまそー。おにく。
慈恵病院(熊本市)・竹部智子看護部長:
お肉ね。ちょっと待ってね。久しぶりに食べるね
「こんな肉いっぱい(震災後)初めて」
慈恵病院の職員らは、2016年の熊本地震で全国からの支援の恩返しとして「くまもとあか牛」のバーベキュー約1000人分と、体が芯から温まる豚汁など約300人分をふるまった。

七尾市の住民:
こんな肉いっぱい(震災後)初めて。うれしいわね。熊本の人たちも(熊本地震)ひどい目にあったよね。よくこんな遠いところまで来てくれて。感謝感謝やわ。うれしいわ

恵寿総合病院(七尾市)の職員:
きょう夜勤なんですけど助かります
慈恵病院(熊本市)の看護師:
おつかれさまです
被災しながら懸命に働く医療従事者へ
恵寿総合病院には元日の震災でけがをした人などが多く入院し、被災地の医療を支え続けている。

また、被災しながらも十分な食事も取らずに働いている職員が多くいて、今回の炊き出しはお腹だけではなく心も満たしているようだった。

慈恵病院(熊本市)・上田留美栄養管理室長:
私たちも熊本地震の後の2週間くらい、病院から帰れなかった。患者さんや地域のことが優先で職員は食べることを考えられなかった。きょうは職員の方も食べに来てくれているのでうれしいです

恵寿総合病院(七尾市)・神野正博理事長:
カップ麺とかレトルト食品しか食べていないので、肉と聞いたときに地震対策本部の中で拍手が湧きました。1月1日から普段の2倍も3倍もがんばっている職員、地域の方々にこういった形で支援していただくのは本当にうれしい。感謝しています
この日の炊き出しは、全ての食材がなくなるまで行われたということだ。
(テレビ熊本)