記録的な大雨に見舞われた、熊本・天草市は市中心部の商店街なども浸水被害に遭ったほか、国の重要文化財も一部損壊した。

市中心部の商店街も多くの店が被災

8月11日午前、天草市中心部のアーケード・本渡中央銀天街。近くを流れる町山口川からの浸水に見舞われた。

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2日後の13日、アーケード街の各店舗内では、掃除や片付けが行われていた。2024年5月にオープンしたコワーキングスペースの天草ブランチの森田めいさんは「宿題をしに来てくれていた学生もいたので、早く運用してあげたいと思います」と話すが、電気関係やネット環境の復旧などは、まだこれからだ。

アーケード街近くの店舗では、片づけたものを災害ごみとして出す作業が続いていて、2023年にリフォームしたばかりという写真スタジオ、カメラなどの機材をはじめ撮影用の家具やイスなどが水に漬かり、処分せざるを得なくなった。

向かいの金物店も1階の店舗が浸水し、扱っている建築資材など、多くの商品が被害を受けた。わずか15分程の間に50センチ位の高さまで水が上がってきたそうだ。

高松金物店の高松良精さんは「もうあっという間だったので、商品を上の階に上げるぐらいが精一杯だったですね。あとは、もうどうしようもなくて、上に自分たちも避難した」と、振り返る。

あっという間の出来事、それはこちらの飲食店バージン・ママも同様だった。石井美恵さんは「ちょうど大潮だったんですかね。その時間帯と重なってしまって、水が一気に来たような感じ」と話す。

晴天となった13日は濡れたソファーなどを天日干し。すると近所の美容室からタオルの差し入れが届いた。再開のめどは立っていないということだが、懸命に前を向き作業に当たっていた。

祇園橋も欄干の石と束石が流される

そして天草市では街の中心部にある文化財も被害を受けた。町山口川にかかる祗園橋は、流木が引っかかったままの状態。橋の手すりの一部が壊れ、取れてしまっていた。

1832年に建造された祗園橋は、国の重要文化財。長さ28.6メートル、幅3.3メートル、45本の石柱が支える国内最大級の石造の桁橋として知られているが、欄干の石4個と、それを支える束石2個が流されているのが確認された。

天草市文化課は流木の撤去を終えた後、詳細な調査を行う予定としている。

(テレビ熊本)

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