観光客が戻りつつある中、地方都市では、観光地エリア内での移動手段「二次交通」の確保が課題となっている。島根・松江市はこの課題解決を目指し、東南アジアなど海外の街角でおなじみの小型の三輪自動車「トゥクトゥク」を新しい観光の足として活用する取り組みが始まった。
1月15日から3カ月間の走行実験を開始
松江市内を走る小さな三輪自動車。黒一色のスタイリッシュなデザインだ。松江を走るトゥクトゥクということで、「まつトゥク」と名付けられた。

まちづくりや地域振興に取り組む松江市の会社「まつくる」が、新しい観光の足として活用の可能性を探ろうと、1月15日から3カ月間の走行実験を行う。

「まつトゥク」は、インターネットで予約、松江市の複合施設「天神町佐草屋」を拠点に、最大2時間、無料で貸し出す。
松江の狭い道もスムーズに
実験のスタートを前に、TSKさんいん中央テレビの岡部楓子アナウンサーが実際に「まつトゥク」に乗ってみた。

定員は運転手を含めて3人、運転には普通自動車の免許が必要だ。最高速度は時速50km、山陰道などの自動車専用道は通行できないが、城下町・松江の狭い道でもスムーズに走ることができた。
実際に試乗して、岡部アナウンサーは「操作方法が簡単で、とても静か。乗り心地が良い」と話した。
環境にやさしい「まつトゥク」
東南アジアなど海外の街角ではおなじみのトゥクトゥクだが、松江を走る「まつトゥク」は環境にやさしい仕様になっている。

まちづくり会社「まつくる」・安達奈由さん:
100%電気で走る環境に優しい乗り物になっています
「まつトゥク」は、エンジンではなくモーターで走るEV、電気自動車だ。1回の充電で約70kmの走行が可能で、“脱炭素”に積極的に取り組む松江市の観光にうってつけだ。

「まつくる」の安達奈由さんは、「松江の観光スポットは、主に松江城周辺だったが、このEVトゥクトゥクで、いろいろなところを観光してもらって、松江での滞在時間が延びることを期待している」と話し、観光地に到着したあとの移動手段、新たな「二次交通」のひとつになると期待している。

今後、実験結果をふまえて台数を増やし、2024年春から有料のレンタカーとして稼働させる計画だ。
(TSKさんいん中央テレビ)