2023年11月に公開された映画「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」。話題となっているこの作品に、実は島根県内を走るローカル鉄道「一畑電車」が意外な形で協力しているということで、その真相を取材した。

話題の作品に島根ローカル鉄道が協力

日本の特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」。その誕生70周年の記念作品「ゴジラ-1.0」は、公開から1カ月足らずで223万人を動員、興行収入も34億円を突破するなど話題となっている。
この注目作に、島根のローカル鉄道「一畑電車」が製作協力しているという。会社を訪ね、その真相を確かめた。

一畑電車・石飛貴之取締役
一畑電車・石飛貴之取締役
この記事の画像(15枚)

一畑電車・石飛貴之取締役:
(Q.「ゴジラ-1.0」に製作協力をしたというのは本当ですか?)本当です。こちらの電車を使って協力しました

映画に関わったと紹介されたのが、一畑電車の“最古参車両”「デハニ50形」だ。昭和初期の1929年に製造された国内最古級の車両で、2009年に引退するまで約80年間、現役として活躍した。

現在も動く状態で保存され、体験運転ができる車両として知られている。

そんな個性的な電車が関わったシーンについて、石飛取締役が説明してくれた。

「映像に映らない出演」“音”に注目

「ゴジラ-1.0」の劇中では東京・銀座を走る電車に目の前の線路に別の電車が宙を舞い、飛び込んでくる。運転士は急ブレーキをかけたが、その電車もゴジラに破壊されてしまう。
このシーンに登場する電車の色は似ているが、「デハニ50形」ではないようだ。

一畑電車・石飛取締役:
このシーンのどこかで使われています。(Q.映像に映ってはいる?)いや、映っていません

映ってはいないけど、出演はしている…?「デハニ50形」の「映像に映らない出演」とはどういう事なのか。実際に「デハニ50形」を走らせて、「出演」の様子を再現してもらった。

一畑電車・石飛取締役:
床下から聞こえている音です

映画に使用されていたのは、床下から聞こえる「走行音」だった。作品の舞台は、戦後まもない時代。当時の電車に近い音を収録したいと、映画の音響効果担当者が“国内最古級”の電車「デハニ50形」に目をつけたのだという。

一畑電車・石飛取締役:
(収録時には)どういった映画で、どういったシーンに使われるか、全く分からなかった。「ゴジラ」という有名な映画のワンシーンに使われたのは、びっくりするとともに、うれしかった

走行音の収録は2023年3月に行われた。しかし、当時、タイトルは伏せられていたそうだ。「ゴジラ-1.0」の音響効果を担当した井上奈津子さんに当時の様子を聞いた。

音響効果担当・井上奈津子さん:
銀座での電車シーンはこの映画の肝となる、本当に重要なシーンで、絶対に本物を収録したいと思っていました。(収録の時は)「くわしくは言えないのですが」と無理を言って、急停止の音を何回か録らせていただき、その音も本編で使用しています。あの銀座の電車シーンに説得力を持たせてくれています

“聖地になるかも” SNSでも話題に

「デハニ50形」が意外な形で「出演」を果たしたおかげで、エンドロールには「一畑電車」が名を連ね、映画の公開後、気づいたファンがSNSに投稿するなど密かな話題になった。中には、電話で直接、一畑電車に問い合わせるファンもいたそうだ。

一畑電車・石飛取締役:
昭和初期の電車が動く状態で残されているのは本当に数が少ないので、ロケ場所ではないが、電車を見に来るとか、乗りに来ることにつながればいいと思う

注目作への「出演」で、“レジェンド”電車「デハニ50形」は貴重な「歴史遺産」でもあることが再認識された。
一畑電車は、その唯一無二の走行音を求めて、鉄道ファンだけでなく、ゴジラファンもやって来る”聖地”になるかもしれない。

(TSKさんいん中央テレビ)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(15枚)
TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

鳥取・島根の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。