榎並大二郎キャスターが向かったのは石川県七尾市にある離島の能登島。

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地震の影響で一時、孤立状態となっていた場所だ。“知られざる被災地”を取材すると、そこには支援が行き届いていない現実があった。

道路上に3隻の漁船、住宅街に流された丸太

元日に発生した地震は人々の日常を一瞬のうちに破壊していた。

能登島にはいると、道路が約50mにわたってひび割れていて、地面が30~50cm沈下し、マンホールが突き出た場所があった。

さらに津波の影響で100メートルほど離れた漁港から3隻の漁船が道路に乗り上げていた。

榎並キャスター:
なんで道路に船があるんだって…。一瞬頭が真っ白になるような光景です。

漁業が盛んな能登島。元日、能登島向田町で撮影された映像には、漁港から津波で多くの丸太が住宅の方へ流されていく様子が捉えられていた。

榎並キャスター:
すごく太くてとても人の力で動かせるような物ではありません。あちらにも丸太が流れていますから、ずっと(この道を)潮が下って行ったというのが分かります。

津波で流された丸太は重くてほとんど動かない
津波で流された丸太は重くてほとんど動かない

流された丸太は、住宅地のあちらこちらに落ちていて、榎並キャスターが触ってみてもほとんど動かず、相当の重さがあることが分かる。

能登島えの目の町で倒壊した建物を目にした榎並キャスターは「完全にこれ…。こちらにあった蔵のようなものがズルッと落ちてしまったということですね」と惨状を伝えた。

壊れた家に「考えないようにしようね」と孫

島では住宅の倒壊が相次いでいるが、いまだ手つかずの状態で支援の手は十分に行き届いていないのが現状だ。

七尾市の能登島地区コミュニティセンターに避難している被災者はこう話す。

被災者:
めちゃめちゃになった家を見て、(孫は)「考えないようにしようね」と言っていた。自宅を見ると情けない気持ちになるので、一日一日を過ごしていくしかない…。

さらに取材班が訪れたのは同じ七尾市内にあるお惣菜店「じゃ~ま」。この店は、地震で倒壊寸前となっていた。

お惣菜店の店主 蠏早苗さん:
すごいですね…。こんなふうになるとは夢にも思わなかった。

大きな唐揚げにフワッフワの玉子焼き。ボリューム満点の500円の弁当が人気で、店は35年間、地元住民に愛されてきた。

しかし、今回の地震で店は倒壊こそ免れたが、柱が大きく傾いているといい、立ち入りが危険な状態となっていた。

被害の大きさから店主は、廃業すると言います。

お惣菜店の店主 蠏早苗さん:
いつかは終わりがくると思っていたが、こういう終わり方になるとは夢にも思ってなかった。

震災が住民の当たり前の日常をまたひとつ奪っていった。
(「イット!」 1月8日放送より)

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