天皇皇后両陛下の長女、愛子さまは、元日に行われる「新年祝賀の儀」に、ティアラを着用して出席される。新年の儀式での女性皇族方のティアラ着用は4年ぶりで、愛子さまにとっては初めて。成年の儀式以来の愛子さまのティアラ姿に注目が集まっている。

新年儀式で初めてのティアラ

両陛下が、三権の長や各国の駐日大使などから新年の挨拶を受けられる「新年祝賀の儀」。陛下の国事行為であり、両陛下や皇族方は勲章を着用し、正装姿で臨まれる。

例年、女性皇族方は「ローブデコルテ」という最も格式の高いロングドレスにティアラを着用していたが、コロナ禍を考慮した両陛下のお気持ちで、2021年以降着用を控えられていた。

ローブデコルテに勲章を身に着けられた愛子さま(2023年1月)
ローブデコルテに勲章を身に着けられた愛子さま(2023年1月)
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コロナ禍で成年を迎えられた愛子さまは、これまで2度、ティアラをせず、マスク姿で新年の儀式に臨まれた。今回、初めてティアラを身につけて、新年の宮殿・松の間に立たれることになる。

2年ぶりのティアラ姿 清子さんから借用

愛子さまのティアラといえば、2021年12月の成年皇族としての儀式の際の、品格あるお姿が心に残っている人も多いだろう。

陛下の妹で、愛子さまにとっては叔母にあたる黒田清子さんから借りたもので、コロナ禍での国民生活を慮って新調されなかった。

成年行事ではティアラを着用された(2021年12月)
成年行事ではティアラを着用された(2021年12月)

愛子さまがティアラを着用されるのはその時以来2年ぶりだが、この間愛子さまのためのティアラは作られず、2024年度の宮内庁の予算案にもティアラの費用は計上されていない。

今回も清子さんのティアラを身につけられる見通しだが、大学4年生になり、学業の傍ら成年皇族として少しずつ経験を重ねてこられた愛子さま。ティアラ姿も2年前とは少し趣が変わっているかもしれない。

2日連続のロングドレス あすは「新年一般参賀」

成年皇族として迎えられた3度目のお正月。初めて「新年祝賀の儀」に臨んだ際は少し緊張されていたが、今回は3度目でもあり、これまでの経験を思い起こし、両陛下にも所作を確認した上で臨まれるだろう。

あす1月2日には、「新年一般参賀」が事前の申し込みや抽選を行わない形で行われる。一般参賀には「デイドレス」と呼ばれるロングドレスで出席されることになっている。

初めて出席された「新年一般参賀」(2023年1月2日)
初めて出席された「新年一般参賀」(2023年1月2日)

学業優先のため、宮中行事に出席される機会が少ない愛子さまのロングドレス姿は、2023年のお正月以来、約1年ぶり。ティアラの着用は無いが、直接お姿を見られる貴重な機会であり、多くの人が皇居を訪れることが予想される。

職員の「部屋訪問」も再開 大きな変化を迎える令和6年 

新型コロナが5類に移行し、愛子さまも日常を取り戻されつつある。以前は時折、事務方の部屋を訪れ、会話を交わして職員の顔と名前を覚えられていた。コロナ禍でそうした機会は無くなっていたが、最近は職員の部屋に顔を出されることもあるという。

4年生となって初めてのご登校(2023年4月)
4年生となって初めてのご登校(2023年4月)

2023年は大学4年生になってようやく本格的な通学が始まり、対面授業で学びを深められ、交友関係も広がった。御所から外出せず、オンラインで授業を受け、友人に会うこともままならなかった数年間を経て、愛子さまにとって飛躍の年であったと思う。

年末に卒業論文の提出を終え、大学生活も残りわずか。令和6年は卒業により、また環境も変わり、お一人での公的な活動も徐々に始まるだろう。

御所・小広間にて(2023年12月23日)
御所・小広間にて(2023年12月23日)

「まだあどけないところも残る愛子ではありますが、いろいろな時に私たちを助けてくれるようにもなってきたと感じます」(皇后さま還暦の感想より)

皇后さまの表現からも、愛子さまが両陛下をさりげなくサポートされていることがうかがえる。

大きな変化を迎える年の最初の2日間。成年皇族として存在感と輝きを増す愛子さまの新年行事でのお姿に注目したい。
(宮内庁クラブキャップ兼解説委員 宮﨑千歳)

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宮﨑千歳
宮﨑千歳

天皇皇后両陛下や皇族方が日々取り組まれる様々なご活動をより分かりやすく、現場で感じた交流の温かさもお伝えできるような発信を心がけています。
宮内庁クラブキャップ兼解説委員。1995年フジテレビジョン入社。報道局社会部で警視庁クラブなどを経て、2004年から宮内庁を担当。上皇ご夫妻のサイパン慰霊の旅、両陛下の英エリザベス女王国葬参列などに同行。皇室取材歴20年。2児の母。