40周年はコロナからの復活

40周年を迎えた東京ディズニーリゾート。2023年はコロナ禍で中止していたパレードでのダンサーによるパフォーマンスが3年ぶりに復活したほか、5類引き下げを受け、禁止されていたミッキーマウスやミニーマウスなどディズニーキャラクターとの近距離での撮影やハグもおよそ3年ぶりに解禁された。

開業40周年を記念し、シンデレラ城に「40」のロゴ が
開業40周年を記念し、シンデレラ城に「40」のロゴ が
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シンデレラ城には40周年のロゴが飾られ、入園者がキャストと一緒に記念の年を祝えるようガーランドシールが配られるなど、これまで以上につながりを大事にした演出がアニバーサリーイヤーを盛り上げている。

通期業績見通しを上方修正

40周年イベントは東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの決算にも大きな影響を与えた。

2023年4月から9月の連結決算では、最終的な損益が545億円の黒字となり上半期として過去最高を更新したと発表した。

40周年イベントやインバウンドの増加により入園者数が前年同期比356万人増の1250万人にのぼったことが影響した。

また、通期業績予想も上方修正していて、入園者数も期初の予想から120万人増の年間で2630万人を見込んでいる。

2024年6月6日 新エリアオープン

こうした中、2024年はいよいよ新エリア「ファンタジースプリングス」がオープンする。

ディズニー映画「アナと雪の女王」や「塔の上のラプンツェル」、「ピーター・パン」をテーマとした3つのエリアで構成され、大きな岩壁にキャラクターが描かれたロックワークの門をくぐると東京ディズニーリゾートオリジナルのアトラクションをはじめとする映画の世界が広がる。

世界で唯一「海」をテーマとした東京ディズニーシーとの親和性が高いだけでなく、“幅広い層が楽しめ長期にわたって人気を維持できる”という狙いから3作品が選ばれた。

総開発面積は2001年の東京ディズニーシー開業以来最大となる約14万㎡で、総投資額は東京ディズニーシーの開業と同等となる総額約3200億円にのぼるとしている。

2024年6月6日にオープンする新エリアの様子
2024年6月6日にオープンする新エリアの様子

8月に実施された報道陣向けのイベントでオリエンタルランドの高野会長は、新エリア開業による業績への影響について「売上高で500億程度レベルアップ(プロジェクトの発表時点)」と説明していたが、その後の決算ではエリア拡大による入園者数の増加などに伴い連結売上高は年間で約750億円レベルの押し上げへと上方修正された。

一方で、SNSでは入園するための待機列の長さが話題になっている。

新エリア専用チケット「ファンタジースプリングス・マジック」

新エリアに入場するためにはディズニーシーに入園した後、指定の時間にアトラクションに並ぶための「ディズニー・スタンバイパス」や有料の優先入場券「ディズニー・プレミアアクセス」が必要となるが、入園が遅れると人気アトラクションについては取得できる可能性が低くなる。

さらに、1度取得すると2度目を取得するためには購入から60分、もしくは取得した券の利用開始時間を待つ必要があり1日ですべてのアトラクションを楽しむことが難しいとの声も聞かれる。

入園者の体験価値向上を目指すオリエンタルランドは「新エリアをより快適に体験いただく一つの選択肢」として新しいチケット「ファンタジースプリングス・マジック」を販売すると発表した。

ファンタジースプリングスホテル グランドシャトー
ファンタジースプリングスホテル グランドシャトー

新チケットはエリア内に新しくオープンするホテルの宿泊者限定で、時間指定なくいつでも新エリアに入場できすべてのアトラクションを短い待ち時間で楽しめるサービスである。

価格は変動価格制で大人(18歳以上)は2万2900円~2万5900円、中人(12~17歳)は2万1600円~2万4000円、小人(4~11歳)は1万9700円~2万600円としている。

関連イベントも続々

新エリアのオープンに先駆けて、2024年4月1日から東京ディズニーシーではスペシャルイベント「東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル」第1弾が開催され、世界中の国々のメニューを提供するほか、新しくオープンする「ファンタジースプリングス」の世界をイメージしたメニューなどを提供する。

また、同月9日から開催されるスペシャルイベント「ドリーミング・オブ・ファンタジースプリングス」では、メディテレーニアンハーバーでのグリーティングのほか、新エリアの世界を味わえるデコレーションやグッズ、フードメニューが登場する。

東京ディズニーランド「スペース・マウンテン」は運営終了

東京ディズニーランドがオープンした1983年から「トゥモローランド」にある屋内型ジェットコースタータイプの人気アトラクション「スペース・マウンテン」が一新して開業するにあたり、2024年7月31日をもって運営を終了する。

新スペース・マウンテン
新スペース・マウンテン

アトラクションには新たな性能や特殊効果を加えるほか、今の「スペース・マウンテン」の跡地や周辺環境には、「宇宙と地球が結び付き、人類と自然が調和した未来」をテーマとしたモニュメントなどを設置。

夜になるとライトアップや音の演出が行われる広場が建設され2027年に生まれ変わった「スペース・マウンテン」が誕生する。

オリエンタルランドは2022年に公表した「2024中期経営計画」を今年度で達成する見込みであるとして計画を上方修正。

入園者数についても当初見込みの2630万人から220万人増の2850万人を想定し、連結営業利益は過去最高を更新する見込みで、パークが拡大する2024年は好調な滑り出しとなりそうだ。
(執筆 :フジテレビ経済部 岩田真由子)

岩田真由子
岩田真由子

フジテレビ経済部 兜・日銀チーム
民間企業、化粧品や通信業界を担当